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#私を構成する42枚 by水瓶ウオ

ご無沙汰しております。バーチャル音楽系漫談師水瓶ウオでございます。

さて、今回はtwitterで流行っている『#私を構成する42枚』というハッシュタグを僕もやってみた話について書こうかなと。

全部に触れると長くなってしまいそうですが、暇つぶしにでも、いい音楽を見つけてもらえましたら最高です。

では、いってみましょう!

#私を構成する42枚

画像を拡大していただければリストがありますのでアルバム名をここに書き出すことはしないですが、こうしてジャケットが並ぶと壮観ですね。

もともと僕はアニメが好きな子供でした。國府田マリ子『my best friends』はアニメ好きが高じて深夜の声優ラジオを聴くようになって、その流れで手にしました。いまでも声優のアーティスト活動はさかんですが、マリ姉のそれはひとつ独特なものがあると思っていますし、もっともっと聴かれてほしいなと思います。このアルバムはありませんが、サブスクも一部解禁しましたしね。

と、そのままアニメソングに進むかと思いきや。内藤泰弘の漫画『TRIGUN』に出てくるミッドバレイ・ザ・ホーンフリークというキャラクターのモデルが東京スカパラダイスオーケストラの谷中敦さんだということを知り、レンタルショップでベストを借り、当時最新だったアルバムを買い、たまたま地元に来たライブを観に行きました。そのときのツアーのライブ音源を収めたものが東京スカパラダイスオーケストラ『GUNSLINGERS』です。スカパラに関しては、歌ものシングルにチバユウスケが参加したことでTHEE MICHELLE GUN ELEPHANT『TMGE 106』を聴いて衝撃を受け、そうか、本当にカッコいい人たちはステージでスーツを着るんだなと思った覚えがあります。

この頃TSUTAYAのCDレンタルが安くなっていて、父の影響でジミヘンやYMOを聴いてみたり、はたまた大人ぶってジャズに手を出してみてはわかるようなわからないような気持ちになりつつ、なんとなく10代の好奇心でいろいろ聴いてみた頃に出会ったのがパンク、それもメロコアと言われるものでした。

画像の中では下の方ですが、Bad Religion『All Ages』。このアルバムとメロコア、そしてエピタフというレーベルを知ることによって僕の音楽人生は大きく変わりました。

そんなエピタフの系列、北欧のバーニング・ハートというレーベルから出ていたのがREFUSED『THE SHAPE OF PUNK TO COME』。当時はポストハードコアなんて何一つ知らなかったのですが、後にヴォーカルのデニスが組むことになるThe (International) Noise Conspiracy(こちらもとてもカッコいいバンドです)とともに僕の中のパンクでもひときわ特別な存在として、再結成にはわざわざフジロックまで観に行くほどでした。

ここからはいくつかのラインが並走していくことになります。まずは『BLEACH』などで知られる久保帯人先生が聴いている音楽として紹介していた作品。特に『ゾンビパウダー』のコミックスに載っていたThunderhead『Killing with Style』は僕にとってHR/HMのめざめとも言うべきアルバムでした。

その後知り合ったメタラーの友人の趣味などにも影響を受け、Voivod『The Outer Limits』Katatonia『Viva Emptiness』といったアルバムはいまでも大好きな作品です。

学生の頃には機会に恵まれて演劇に携わっていたこともあり、演劇集団キャラメルボックスの作品に触れました。その中でよく使われていたアーティストがSpiral Lifeやzabadakといった人たちで、特にzabadakは人生の中で最も特別な存在になっていきます。そんなわけで、Spiral life『Further Along』zabadak『夏秋冬春』を選んであります。

zabadak人脈でもありアニメソング関係でもあるのが新居昭乃。新居昭乃『降るプラチナ』は当時の菅野よう子と坂本真綾のチームと並んで、アニメソングのみならず後続に多大な影響を与えたのではないかと思います。僕もこのアルバム、特に「スプートニク」と「ガレキの楽園」が好きです。エレクトロニカとポップスの混ざり方が芸術的なんですよね。

90年代後期、最も盛り上がったアニメといえば言わずと知れた『新世紀エヴァンゲリオン』ですけれども、僕はむしろその後にGAINAXが制作していたアニメ、『彼氏彼女の事情』とか『フリクリ』なんかが好きでした。特に『フリクリ』でフィーチュアされたthe pillowsというバンドにはどっぷりハマり、多感でありナイーヴでもあった10代のメンタルを癒やしてもらった、ように思います。なので編集盤ではありますがthe pillows『Fool on the planet』は心に今なお残り続ける一枚です。

10代の後半には僕が住むバーチャルなつぞらにもブックオフが出来まして、あとネット通販なんかも積極的に使うようになって聴く音楽の幅が増えていきます。そんな中で出会ったのがプログレ、プログレッシヴ・ロックでした。

最初は僕が好きなゲームのBGMを担当している人のバンド、ということで購入したAcoustic Asturias『Marching Grass On The Hill』はアコースティック、それも室内楽でロックすることができるんだ、と驚かされましたし、アナログシンセの手弾きによって後のミニマル・テクノのような音楽をやっていたTangerine Dream『Force Majeure』にこれもまた元祖テクノ/ハウスな60分1曲の早すぎた電子音楽であるManuel Göttsching『E2-E4』、僕がプログレの中で最もエクストリームだと信じている60分1曲の狂気、Mike Oldfield『Amarok』といった音楽と出会っていきました。スウェーデンのプログレバンドTrettioåriga Kriget『Elden Av År』(再結成作品だけど昔の作品よりも好きかも)やフランスの狂気Magma『K.A.』(これも再結成作ですか)、zabadakの影響でいつでも気になる英国トラッドを感じるバンドJethro Tull『Minstrel in the Gallery』なんかにも出会いましたね。

アニメ『カウボーイビバップ』のサウンドトラックThe Seatbelts『Cowboy  Bebop OST1』の影響でよりジャズを聴くのが面白くなり、菊地成孔『南米のエリザベス・テイラー』や菊地成孔が影響を受けたMiles Davis『In A Silent Way』などにのめり込んでいくことになります。タンゴ/ラテンへの傾倒もこの流れで、プログレッシヴ・タンゴ・バンドSalle Gaverau『La Cumparsita』はライブ会場で終演後に買った思い出の一枚です。

19歳当時、僕は音楽聴取の師匠とでも言うべき人に出会いました。彼はとにかくたくさんの音楽を、面白い角度から紹介してくれる人で、僕がいまこんな風にバーチャル音楽系漫談師なんて名乗って居られるのも彼のおかげと言っていいと思います。そんな彼に教えてもらって出会ったのが羅針盤『ソングライン』サニーデイ・サービス『24時』といったフォーキーなロックであったり、もっとアヴァンギャルドでディープな80'sニューウェーブやテクノポップだったりしました。

ブームの当時は多感な時期だったためむしろ反発してしまっていたのですが、ヴィジュアル系にもハマっていきます。所謂全盛期を代表するような黒夢『Drug TReatment』、時期的にはネオ・ヴィジュアル系の頃に発表されたPlastic Tree『ウツセミ』、ある意味ヴィジュアル系の始まりであり未だ現役のまま走り続けるBUCK-TICK『或いはアナーキー』といったバンド/アルバムと出会って偏見を解消することに成功します。

それまで日本のロックは一部の例外を除いてカルメン・マキ&サラマンドラ『カルメン・マキ&サラマンドラ』四人囃子『ゴールデン・ピクニックス』のようなベテランを多く聴いてきたのですが、自身でベースを始めたり色々とあって、この辺りから日本のオルタナティヴ/インディーに興味を持ち始めることになります。

格好良いと思えるようになるまでに時間がかかりましたが、bloodthirsty butchers『green on red』は僕がブッチャーズという今でも大切に聴いているバンドと出会うきっかけになったアルバムですし、そこから日本のエモ、ハードコア、ギターロックといったライン、たとえば奈良のLOSTAGE『LOSTAGE』や元キウイロールの蛯名啓太さんによるDischarming man『Discharming man』、Discharming manとの対バンで度肝を抜かれた自称カリフォルニア発名古屋永住系ナード・メタル・バンドDOIMOI『Dialectic And Apocalypse』といったバンド/アルバムに夢中になっていきました。

このリストに挙がっている42枚の中で最新のものはSyrup16g『HELL-SEE』ムーンライダーズ『カメラ=万年筆』だと思います。去年(※2022年)はちょっとなかなかメンタルが落ち込んだまま墜落すれすれの低空飛行でなんとかやっていた時期でして、その頃を支えてくれていたのがこの2バンドでした。あまりに救われたので2バンドともボックス・セットで一気にアルバムを揃えました。なかでも一番のお気に入りがその2枚です。

ここまでで挙がらなかったアルバムについても簡単に書いていきましょう。The Kinks『The Kinks are the Village Green Preservation Society』はオールド・ロック、クラシカル・ロックと呼ばれるようなジャンルのアルバムの中でとても好きな作品で、もちろんバンドとしても好きなのですが、特にこの表題曲なんかはつい口ずさんでしまいがちですね。

当時、ホームページを作るために借りていたサーバーで宣伝されていて知ったTHE JETZEJOHNSON『DEPTH OF LAYERS [UPPER]』は漫画家の鶴田謙二によるジャケット・イラストも鮮やかなエレクトロ・シューゲイザー。特に「DIVA」はよく聴きました。そろそろ新作も聴きたいですが。

Rita『Rita ANNIVERSARY LIVE 2012 -way to Today-』はLiar-Softという美少女ゲーム・ブランドが好きな友人と知り合って聴くようになったシンガー/声優のRitaさん(「リトルバスターズ!」が有名ですが)のライブ盤です。やはりちょっとしんどい時期に繰り返し聴いて元気をもらってました。威勢の良いかけ声から始まる「Salvatore!」とかね、本当に良いです。

ソウル・フラワー・ユニオン『エレクトロ・アジール・バップ』と出会ったのは確かツタヤのレンタルコーナーで、どうして聴こうと思ったのかはもう覚えていないのですが、チンドンから沖縄民謡から巻き込んで日本人にしかやれないトラッド・パンク(初めて聴いたときはそんな風に言える知識はなかったわけですが)に感動した覚えがあります。ライジング・サン・ロック・フェスティヴァルで生で観たときは泣いたなあ。

クレイジーケンバンド『グランツーリズモ』は確か雑誌でシングル「まっぴらロック」(アルバム未収録)が取り上げられていたのに興味を持ってアルバムも聴いた覚えがあります。ハマのちょいワルオヤジバンドってわけで父も大好きだったバンド。

世代的に残響レコード全盛期、みたいなのにはだいぶ影響されているのですが、どちらかといえばPeople In The Box『Ghost Apple』は最初Plastic Treeと仲が良いというあたりからの興味で聴いたように思います。おそらく日本一得体の知れないバンド。

というわけで僕を構成すると言っていいくらい思い入れのある42枚のアルバムについてざっと語ってみました。なんとなく自己紹介にもなったんじゃないかと思います。この中に好きなアルバムがあったり、気になる作品があるよ、っていう人はぜひ仲良くしてやってくださいね。そうじゃなくても音楽が好きな人はお友達から始めましょうね。お届けしたのはバーチャル音楽系漫談師、水瓶ウオでした。


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