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ため息俳句 こぼれ種

 畑のあちこちに種がこぼれて芽を出してきたものがいる。

 先ずは紫蘇、これは大葉である。夏場の冷たい麵類には必須の薬味。わんさと繁ってくる。

 カモミール。自分的には始末に負えない繁殖力で悩ましいやつだ。

 そうして、向日葵。あちらこちらでみるみるうちに背丈を伸ばす、葉を広げる。これは、玉ねぎの畝に生えてきた、大向日葵になるはずだ。

 そのほか、雑草ならもう嫌になるほどだ。たとえば、これなど。

カタバミ

 このカタバミには、こんな句もある。

日輪に露のかたばみ実をはぜぬ  飯田龍太

 カタバミは、「酢漿草」とも書く。この葉っぱで10円玉を磨くとぴかぴかになる。葉や茎に 蓚酸(しゅうさん)を含むゆえとか。とにかく、種を爆ぜてとばすのだ、こぼれるなんてものでないのだが。

こぼれ種ぐをめざる命かな  空茶


 植物にも、意思があるとしか思えないこともしばしばある。

こぼれ種土ぬくもれば芽吹くなれ