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「古今十七文字徘徊」帖

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古今のふれあった俳句作品についての所感を記録しておくノートのまとめです。作品にふれあうというのは、きわめて個人的なことで、古典として名高い名句とか、コンクールの優秀作品とか、そう…
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#熊谷暮らし

#17  手枕に花火のどうんどうん哉 一茶

#17 手枕に花火のどうんどうん哉 一茶

 墨田川の川開きの夜であろうか。

手枕に花火のどうんどうん哉 一茶

 「手枕」というのは、男女の共寝の際のことというのもあるが、一茶のこの句にからそういう感じがあるだろうか。
 「どうんどうん」とは、花火のあがる音である。

 (貧乏長屋に宵が来て)
 一人寝転び、ひじまくら。
 打ち上げ花火のどうんどうんという音を聞いている。
 (これも呑気きままで悪くない。)
 
 そんな風か。

 昨晩

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#15 炎天にてり殺されん天窓哉     一茶

#15 炎天にてり殺されん天窓哉 一茶

 朝飯を食べながら、NHKのニュースをつけると、トップニュースの中で当地の今日の最高気温予想は、40℃であると云うでないか。命にかかわる程の危ない気温であると、アナウンサーが真面目顔でいう。
 この街は北埼玉のどちらかというと平凡な地方都市であるが、地方気象台があるおかげで、夏であればほぼ毎日天気予報では引き合に出されてしまう。だから、毎朝、お天気情報は知りたくなくても知らされてしまうのだ。それに

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