白熱する法廷シーンに圧倒されっぱなし! 💗『ニュールンベルグ裁判』
乱れ撃ちシネnote VOL.013
番外編-60年前のノートより-
『ニュールンベルグ裁判』 スタンリー・クレイマー監督
『荒野の三軍曹』を観た約2週間後にこの作品を観ています。
当時の感想メモを読んで自分の感動ぶりに驚きました。
1962年3月から映画館通いが始まってから46本目。生まれて初めてシリアスな法廷ドラマにぶち当たったのです。
以来スタンリー・クレイマーは大好きな監督に仲間入りしました。
『真昼の決闘』『手錠のまゝの脱獄』『ケイン号の反乱』『渚にて』などシリアスな映画がお得意で社会派と言われるクレイマーが『ニュールンベルグ裁判』の2年後に監督した『おかしなおかしなおかしな世界』(1963年12月公開)には腰を抜かしました。
無声映画の大スターバスター・キートンに始まり三ばか大将、ジェリー・ルイス、ミッキー・ルーニー、テリートーマス、ジョナサン・ウィンタースなどハリウッドの大物喜劇俳優が初のスーパーシネラマ方式の大画面狭しと暴れまくる豪華絢爛ドタバタ喜劇だったからです。
大物役者たちに加わってつい半年ほど前にテレビのディック・パウエル・ショーの『トマトの値段』を観てうまい役者だな〜と感心したピーター・フォークがタクシー運転手の役でちらっと顔を出していたことが嬉しかった。
ピーター・フォークは『トマトの値段』でエミー賞他多くの映画賞で主演男優賞を受賞してアメリカでは人気急上昇中でした。
その後『七人の愚連隊』や『グレートレース』でもオトボケぶりを発揮したフォークが大ブレイクしたのが1968年から始まったテレビ・シリーズ『刑事コロンボ』。
小池朝雄さんの声がハマっていたことが大きいのですが『トマトの値段』のテレビ公開時にすでにピーター・フォークの声は小池朝雄さんでした。
『おかしなおかしなおかしな世界』にはもう一人嬉しいコメデイエンヌが出演していました。
テレビ・ドラマ『マンハッタン・スキャンダル』の歌姫ピンキー・ピンカム、美しい脚線美のチャールストンで魅了したドロシー・プロヴァインです。
っで、スタンリー・クレイマー監督の『ニュールンベルグ裁判』に14歳の少年は大感動しました。
1962年11月17日(土)
14歳(中学3年)
主演・スペンサー・トレーシー、リチャード・ウィドマーク、マクシミリアン・シェル、バート・ランカスター
ナチの非人道的な行為をアクマでののしるウィドマークの検事、ヒットラーの手先となって働いたバート・ランカスターを弁護するマクシミリアン・シェル、ナチの手先で働いてはいたものの内心ヒットラーをけいべつするランカスター、最後の判決を下す裁判長スペンサー・トレイシー。一人ひとりが皆個性的な人物だと思う。
この映画は僕にはむづかしかったけれど、だいたいの筋はわかった、スゴクいい映画だと思う。
特にウィドマーク検事の凄まじい論議の時の怒り、それに対して熱烈な弁護、その2人の論議(証人に対しての)入れかわりたちかわり、その2人をしずめる裁判長スペンサー・トレイシー。恐怖におののきながらウィドマークとシェルのじん問に答える証人(モンゴメリー・クリフト他)、何だか本当に裁判所に自分がいるような感じになってしまった。
主演の4人がスゴク感動的だった。特にトレーシーが一人だけ静かに物ごとをはこんで最後まで落ち着いた態度で裁判をして最後にランカスターら4人の被告皆に有罪を宣告する。ランカスターは有罪を宣告されても裁判長の人間性にひかれるというところはとてもよかったと思う。
評:A中(4人の演技に対して)もしかしたらこのようにイイ映画は将来見ないかもしれない。最後にでて来たタイトルがちょっと印象的だった。
本作品でマクシミリアン・シェルは3つの主演男優賞を受賞しています。
◯第34回アカデミー賞
◯第19回ゴールデングローブ賞(ドラマ部門)
◯第27回ニューヨーク映画批評家協会賞