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ワタシは聾唖者だけどどんな女よりもセックスが上手いのよ!💗『愛は静けさの中に』 

《乱れ撃ちシネnote VOL.044》

『愛は静けさの中に』 ランダ・ヘイズ監督 1986年公開アメリカ

「死ぬまでに観たい映画1001本 第5版」選定作品

鑑賞日:2023.02.03 U-next

【Introduction】
おもしろい映画は観るたびに新しい発見がある。
公開当時はシシー・スペイセクがかなり不細工に見えたのにキャリーが生まれて初めて男性からパーティーの誘いを受けて以降どんどんきれいになることを見過ごしていた。

一生懸命自分で縫い上げたパーティ・ドレスを着てお化粧をしたキャリーはとてもチャーミングだ。
パーティ会場でいつもはキャリーをいじめている女性たちからも「今日のキャリーはきれいじゃない」という声も囁かれていた。
女子高生たちの艶めかしさをこれでもかと見せつけるパルマ監督のあざとい演出や美しい色合いの画面も色あせていない。
例えば同じ年に公開された日本映画というと。

『激突!若大将』『喜劇・大誘拐』『男はつらいよ寅次郎夕焼け小焼け』『風立ちぬ』『愛と誠完結編』『犬神家の一族』『青春の殺人者』
『新・女囚さそり701号』『西遊記』『トラック野郎・天下御免』など。


この中にいまだに斬新さを残している映画があるのかな。

Filmarksで映画ファンが書いている『キャリー』評を読んでいたらysさんがシシー・スペイセクが『ファントム・オブ・パラダイス』の美術助手をしていたと書いてあり仰天した。
でも考えてみれば不思議なことではない。

スペイセクは1974年に映画美術監督のジャック・フィスクと結婚している。フィスクは1973年公開のテレンス・マリック監督のデビュー作『地獄の逃避行』に美術監督として参加しており、この現場で主演のスペイセクと出会う。
同じ頃制作中の『ファントム・オブ・パラダイス』の美術監督はフィスクでスペイセクも美術助手として働いてた。
73年にフィスクとスペイセクは結婚。
パルマ監督の『キャリー』やデヴィッド・リンチ監督の『ストレイト・ストーリー』では美術監督と女優という立場で同じ職場で働いていた。

フィスクは今年77歳。スペイセク74歳。夫婦生活を50年間続けているカップルはハリウッドでは珍しいよね。
ちなみに二人の娘のうち長女シュイラー・フィスクは歌手&女優として活躍している。

ぼくはスペイセクが俳優で歌手だということを知らなかったので以前この映画を観たときにスペイセクの歌のうまさにビックリした。
23.02.03(03)『歌え! ロレッタ愛のために』マイケル・アプテッド監督   1981年アメリカ
【鑑賞ガイド】
😁😁😁
~~~~~~~~~~~~~
😁😁😁😁😁:見事な作品。
😄😄😄😄:お勧めです。
😀😀😀:楽しめます。
😔😔:苦手です。
🥵:途中下車。
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【巷のうわさ】
Filmarks:☆☆☆★(3.6)

ケンタッキー州の炭鉱作業員の娘として生まれ15歳で結婚しその後アメリカを代表するカントリー・シンガーとなったロレッタ・リンの半生を描いた伝記映画だ。
ちなみにこの映画でロレッタの父親を演じているのがカナダのロック・グループ「ザ・バンド」のドラマーでメンバー中唯一のアメリカ人のリヴォン・ヘルム
音楽界にジェンダー革命を起こしたと言われているロレッタは昨年10月5日に90歳で逝去している。

『キャリー』ではスペイセクが圧倒的に素晴らしかったけれど狂信的なクリスチャンの母親を演じたパイパー・ローリーの演技も凄かった。
ということでパイパー・ローリーつながりで見つけたのが『愛は静けさの中に』です。

【Story】
ジェームズ・リーズ(ウィリアム・ハート)は、片田舎の聾唖者の学校に赴任した。11年生の7名の生徒を受け持つことになったリーズは食堂でサラ・ノーマン(マーリー・マトリン)という気性が激しく若く美しい聾唖者サラを見かける。
サラは5歳の時からこの学校で学び飛び抜けて優秀な生徒だったにも関わらず学校の掃除係をしている。
リーズは自分の殻に閉じこもって他人とのコミュニケーションを拒否するサラを根気強く説得し、人とコミュニケーションをとれるように指導するがサラは頑として拒否する。
サラの母(パイパー・ローリー)を訪ねたリーズはサラの姉の男友達とデートするほどサラは大人気だったが彼女が笑い者にされていたことを感じて心を閉ざしてしまったことを知る。
その後リーズは彼女からかつて姉の作ったリストの順番に従って男友達に求められるまま体を与えたことをうち明けられて動揺するが自分がサラを愛していることを知る。

二人は先生と生徒という垣根を飛び越えて愛しあうようになり校長の猛反対をはねのけてリーズはサラと一緒に暮らすことを決意する。
ある日サラは友人に招かれたパーティで、経済学者で数学の天才の女性聾唖者マリアン・レッサー(リンダ・ボブ)に出会い自分が無能力であることを痛感し、リーズが自分を哀れんで一緒に暮らしているのだと思い込んでしまう。

【Trivia & Topics】
*美しいサラ。
サラを演じたマーリー・マトリンは生後18ヶ月で麻疹にかかり、右耳の聴力すべてと左耳の聴力の80%を失っているが7歳の時に『オズの魔法使い』のドロシー役で初舞台を踏む。
舞台『小さき神の、作りし子ら』に出演していたところを見出され、1986年にその舞台を映画化した本作品に出演。
映画初出演でありながら史上最年少21歳でアカデミー主演女優賞を受賞
授賞式では手話でスピーチを行っている。

*本作品の受賞歴。
・アカデミー賞主演女優賞(マーラ・マトリン)

・グールデングローブ賞主演女優賞(マーラ・マトリン)

・ベルリン国際映画祭銀熊賞(ランダ・ヘインズ)

【鑑賞ガイド】
😁😁😁😁
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😁😁😁😁😁:見事な作品。
😄😄😄😄:お勧めです。
😀😀😀:楽しめます。
😔😔:苦手です。
🥵:途中下車。
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【巷のうわさ】
Filmarks:☆☆☆★(3.6)

u-next :☆☆☆☆


明日は本作品で主演したウィリアム・ハートのあの作品にしようかな。




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