見出し画像

うれしはずかし

高校二年生は理系と文系どちらかを選ぶことから
はじまった。
社会科と極力距離を取りたかったし、
数学と英語とは距離を縮めたかったので
一瞬で理系に決めた。
それでも地理とは離れられず
しぶしぶがんばっていたが、相変わらずちっとも
成績は上がらなかった。
理科に関しては化学と物理を選択した。
化学は力技で少し理解に持っていくことができたが、物理がとっても不穏な空気をまといながら
なんかやだなーという存在に納まっていた。

ただ物理の先生がめちゃくちゃ
私の好みだった。
顔がかっこいいし、細身で、スーツがとても似合っていて、声が少し高くて、絵がうまくて、
ちょっとドライで、私の好きなポイントを
凝縮したような人だった。
当時はそんな言葉なかったが、今で言えば
シンプルに神だった。
好きとかいう感情はおこがましくて持てなかったが、少し質問しに行ったり話したりするだけで
あわあわしてしまい、全く正常を保てなかった。

そして本当はここでその先生のおかげで
物理の成績があがったと書きたいところだが、
この先生に私は物理のセンスが全くないと
言われたのだった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?