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Bob James - Three(1976)

本作はボブジェイムズ史上もっともファンキーといえる一枚です。ソウルミュージックへのアプローチは1作目からありましたが本作ではソウルの中でもファンクに焦点を絞ったアプローチをしています。さらにアイルランドやジャマイカ等いままでよりもグローバルな視点にたった選曲もあり最も興味深い一枚です。ジャケット裏にはクインシージョーンズ、メイナードファーガソンといったかつての師や共演したサラヴォーン、ロバータフラック、ヒューバードロウズやグローヴァーワシントンjrといったアレンジャーとして携わった人からのメッセージがあります。

メンバー
ボブジェイムズ:キーボード
グローヴァーワシントンjr:テナー、ソプラノサックス、ティンホイッスル
アンディニューマーク(1)、ハーヴィメイソン(2,3,4,5):ドラム
ゲイリーキング(1,2,5)ウィルリー(3,4):ベース
エリックゲイル(2,3,4,5)、ヒューマクラッケン(2,3,4)、ジェフミロノフ(1):ギター
ラルフマクドナルド:パーカッション
エディダニエルズ:フルート、テナーサックス
ヒューバートロウズ:フルート
ジョンファディス、マーヴィンスタン、ルーソロフ:トランペット
ウェインアンドレ:トロンボーン

グローヴァーワシントンjrはゲストとしてタイトルの真下にその名前が記載されています。

One Mint Julep
カウントベイシーの曲でファンキーが得意なミュージシャンが多く取り上げてきましたがここではファンキーはファンキーでも最新のファンクビートを用いてジャズファンクにアップデートしています。ゲイリーキングの強力なスラップベースと元スライ&ファミリーストーンのアンディニューマークのタイトで力強いドラミングがかっこいいです。

Woman Of Iraland
タイトル通りアイルランドの民謡とジャズをミックスさせた曲。リズムにはレゲエからの影響も感じます。なんとなくミスマッチな気もしますがボブの腕なのか元からなのか違和感なくマッチしています。個人的にはこのアルバムで一番面白いと感じます。

Westchester Lady
力強いドラミングが印象的なファンキーなナンバー。スリリングなストリングスやホーンセクションがソウルらしくて好きです。

Storm King
タイトなファンクビートがかっこいい曲。ドラムとスラップベースでアクセントがずれていて少しポリリズムな音になっているのが面白いです。高音と低音に分けられたホーンもシンプルながら印象的です。

Jamica Farewell
ハリーベラフォンデのカバー。ジャマイカ音楽がブームの時に素直なカバーではなくあえて昔のヒット曲を引っ張り出してくるのがボブらしくなくて面白いです。ラテンビートを使いつつメロウなソウル風のフュージョンに仕上げています。

コネクション:クインシージョーンズ
ボブの師匠的ポジションのクインシーもレイチャールズがカバーした時にアレンジを行なっています。時代とアレンジャーが違うと同じ曲でもここまで変わります。