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Bob James - Two (1975)

本作は1stと同じ1974年から録音が始まり翌年リリースという速さで制作されました。サウンドの方向性は基本はファーストと同じもののクラシックや現代音楽の要素が減りその代わりソウルやファンク的なアプローチが増えました。また使用キーボードの種類が増えたことにより当時の最新に追いついたような印象を受けます。DJ人気の影響でCTI4部作の中で一番価格が高く店頭に並ぶことも少ないですが根気よく通っていれば数百円で入手することも可能です。

ボブジェイムズ:エレピ、クラヴィネット、アープオデッセイ、ヤマハYC-30オルガン
エリックゲイル、ゲイリーキング(3):ベース
アンドリュースミス、スティーブガッド
エリックゲイル(1,2,4)、リッチーレズニコフ(3,5)
ヒューバートロウズ:フルート、エレクトリックフルート
ランディブレッカー、ルーソロフ、マーヴィンスタン:トランペット
ウェインアンドレ、トニースタッド:トロンボーン
エディダニエルズ:クラリネット
パティオースティン:ボーカル

Take me To The Mardi Gura
骨太なドラミングとうねるようなベースが作り出すグルーヴがかっこよく時々入るカウベルもウキウキしてきます。クラリネットを入れたニューオリンズジャズのようなホーンアレンジやエレピにワウを噛ませるなど前作にはなかったアプローチもあります。ちなみにオリジナルはポールサイモンでボブも別の曲ですがこのアルバムにセッションミュージシャンの1人として参加しています。

I Feel A Song
グラディスナイト&ザピップスのカバーでパティオースティンがリードボーカルをとっています。グルーヴィなソウルナンバーで言われなければボブジェイムズの曲とは思わないはずです。エリックゲイルのソロ等の演奏はもちろんですがパティのボーカルも印象的です。

The Golden Apples
疾走感のあるシンフォニックな曲でアイザックヘイズの現代音楽版といった雰囲気です。ストリングスを多用していて個人的にはあまり好みではないですがボブのチャレンジ精神は伝わってきます。

Farandole
クラシックのカバーでビゼーの作曲。シンセサイザーやワウをかませたエレピなどOneのクラシックカバーとは違ったアレンジをしています。またヒューバードロウズもノリのいい熱のあるソロを披露しています。いつもストリングスをバックにフリーBGMみたいな演奏していたのと同一人物とは思えません。

You’re As Light As Rain
フィリーソウルのソングライターコンビのトムベルとリンダクリードのカバー。ここではアレンジャーではなくキーボード奏者としてメロウにエレピを弾いています。バッキングもエレピを目立たせるためかとても穏やかです。一番人気があった頃のスタイルの先駆けのような感じですね。

Dream Journey
グルーヴィなベースと映画音楽のようなストリングスとホーンアレンジが印象的な曲。この曲もボブのソロを聴かせるようなタイプですがワウギターと絡みつつリズミカルなタッチです。

コネクション:ランDMC
多くの曲にサンプリングされたTake me To The Mardi Gura。その中でもビートだけでなくメロディも使ったPeter Piperが一番印象的です。どうでも良いですが僕はレコード買うまでずっとアイドリスムハンマドがパーカッションでゲイリーキングがベースだと勘違いしていました。