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Bob James - One (1974)

ボブジェイムズのCTIでの記念すべきファーストアルバムです。もうすでにこちらで解説しているので詳細は省きますが3度目の正直であると同時に成功が約束されていたといってもいいくらい裏方としての名前を売ってきたのでヒットと後の成功は妥当と言えます。クラシック、ファンク、ジャズ、現代音楽と持てる才能を全て注ぎ込んだ一枚。どことなくミステリアスなサウンドや音圧の強いホーンアレンジも合間って彼のアルバムで一番聞き応えがあると言ってもいいと思います。

メンバー
ボブジェイムズ:エレピ、ヤマハオルガン
ゲイリーキング:ベース
スティーブガッド、アイドリスムハンマド(5):ドラム
リッチーレズニコフ:ギター
エリックワイズバーグ:スティールペダルギター(2)
ラルフマクドナルド:パーカッション
デイブフリードマン:ヴァイブ
ヒューマクラッケン:ハーモニカ(2)
グローヴァーワシントンjr:ソプラノサックス
ジョンファディス、サドジョーンズ:トランペット、フリューゲルホルン
アランルービン、ルーソロフ、マーヴィンスタン:トランペット
ウェインアンドレ:トロンボーン

Valley Of The Shadows
重たくスリリングなサウンドと重量級のグルーヴが渦巻くアレンジが印象的な曲。音圧の強いホーンサウンドはクインシー直系ですがクラシック音楽からの影響も受けていそうなメロディアスなアレンジです。ボブジェイムズはこのアルバムの収録曲でこの曲が一番気に入っているそうです。

In The Garden
ハーモニカとペダルスティールギターの音色が印象的なメロウなナンバー。どちらもルーツ系の音楽で使われる楽器ですがここではそういった音にはならずにしっかりと他の楽器とマッチしています。オリジナルはパッヘルベルのカノンで病院の待合室や学校の式典なんかで聞いたことがある人もいるかと思います。

Soulero
ボレロとファンクの両方のリズムを両立させた曲。ノーチラスでも使われるヤマハのオルガンが印象的です。タイトルはソウル(ファンク)とボレロをくっつけた造語かも

Night On The Bald Mountain
ムソルグスキーという作曲家が書いたクラシック作品ですがクインシーのアイアンサイドのテーマのようなホーン厚めのジャズファンクに仕上がっています。

Feel Like Makin’ Love
ロバータフラックのカバーでボブはオリジナルの録音に参加した際に自分でもやりたいと感じ同じミュージシャンたちと録音しています。ゲイリーキングのグルーヴィで揺れるようなベースラインが印象的です。

Nautilus
ヤマハオルガンによる海中は漂うようなミステリアスな音色が印象的な曲。リズム隊も強力です。ちなみにWho Sampled というサイトによるとこの曲をサンプリングした曲は386曲もありこれはTake Me to the Mardi Gras に次ぐサンプリング数です。オルガンによるメロディもビートもどちらもDJが好きそうなサウンドなので納得です。

コネクション:ロバータフラック
Feel Like Makin’ Loveのオリジナル。そのままカバーしたくなるのも納得の一曲です。ロバータはピアノを弾く人ですがレスマッキャン、ボブ、レオンペンダーヴィス、ロニーフォスター等他のキーボード奏者を入れることも多々あります。