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Bob James - 4 (1977)

CTI最終作の本作はCTI時代の実験的なアレンジやファンク的なリズムを残しつつもこれ以降のスムースなサウンドやかっちりとしたビートも聞くことができます。(どっちかというと後者の比率高めです)個人的にはタッパンジー時代の作品やフォープレイは洗練されすぎていて好みではないのでこれが実質ボブジェイムズの最終作になっています。ジャケットはスタジオで適当に撮ったような顔写真にパワポでセンスない人が使いそうな謎デザインのタイトルというのはあんまりですね。特に今までが写真や彫刻、絵画等のシンプルながらも落ち着いたデザインで良かっただけにより残念です。それにタイトルもアルファベット表記の数字だったのにこれだけはアラビア数字表記。一個だけ表記が違うとなんかモヤっとします。

ボブジェイムズ:エレピ、アコースティックピアノ、クラヴィネット、シンセ、アレンジ、指揮
アートファーマー:トランペット、フリューゲルホルン
ゲイリーキング:ベース
スティーブガッド:ドラム
エリックゲイル:ギター
ラルフマクドナルド:パーカッション
ヒューバートロウズ:フルート
エディダニエルズ:テナーサックス、フルート、クラリネット

Pure Imagination
タイトなリズムにメロウなピアノとホーンが乗るバラードナンバー。アートファーマーのミュートトランペットが印象的です。

Where The Wind Blows Free
ディスコ調のビートとヒューバードロウズのそよ風のようなフルートが印象的な曲。エリックゲイルは個性全開のソロを披露しています。

Tappan Zee
この後作るレーベルの名前と同じ曲。グルーヴィなベースとエレピが印象的で今までのアルバムに一番近いサウンドです。タイトルのタッパンジーとはニューヨークのハドソン川にかかる橋の名前らしいです

Nights Are Forever Without You
メロウながらも聞き応えのあるアレンジのナンバー。ホーンアレンジやエリックゲイルのギターソロが印象的です。

Treasure Island
3で見せたアイルランド風のアレンジのバラードナンバー。アートファーマーのソロが印象的です。

El Verano
イントロのシンセの不思議な音とリリカルなタッチのピアノが印象的なミディアムナンバー。アートファーマーのソロがじっくりと楽しめます。中盤を過ぎたあたりからガッドのドラムも力強くなり、演奏も不思議さがなくなり哀愁のある美しいサウンドになっています。

コネクション:この後のボブの数字匂わせ
これ以降は何作目かを表す数字だけという簡素なタイトルにすることはありませんでしたがジャケットで匂わせるようになります。例えば5枚目Heads は5セント硬貨。7作目Lucky Sevenは7個黒い点のあるてんとう虫、11枚目Foxyはクロスさせた足で10(ローマ数字のx)を、ボブの指で1を表し、(これは写真を見てもらった方がわかりやすいです)12だけは匂わせではなくしつこいくらい12が書かれています。ただしこのナンバリングはCTI以前の二枚とアールクルーとのコラボ作を除いているようです