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観光産業の生産性の低さについて

僕は観光関係のメディアに所属しながら、現在、香川県三豊市にいて地方創生にも関わっている。いったいどのようにすれば、観光を通じて地方が豊かになるのか。それを考える中で突き当たっているのが、観光産業の生産性の低さだ。

自分の頭の整理のため、調べたことをnoteにまとめておきたい。

観光業は生産性が低い

会社四季報オンラインの記事「それでもまだ観光立国を目指すのか?〜ウィズコロナ時代に観光業が生き残れる3つの道」で見ると、観光業(宿泊・飲食サービス)のあまりの生産性の低さに、愕然とする。

2018年の労働生産性(産業別の名目GDP÷就業者数)で見ると、製造業は1,094万円だが、宿泊・飲食サービス業は318万円である。介護・福祉などを含むだろう保健衛生・社会事業分野でも、458万円で、まだ高いのだ。

これは、世界的に見て必ずしも飲食・宿泊業が生産性が低いというわけではない。

実際、『日本労働研究雑誌』の論文(2019)によると、たとえば2013年のデータでは、米国に対して日本の飲食・宿泊業の生産性は26.5%にしかならないという。

この原因は一体なんだろう? 

これは、単一の原因があるというより、総合的に
・従業員の業務に無駄が多い。
・付加価値をしっかり付けて単価を上げることができてない
ということに尽きるようだ。

これは当然、業界全体の課題であるので、観光庁などもかねてから生産性向上の取り組みを進めている。

また、以下のアトキンソン氏の記事によると、生産性の高い旅行サービスは昔に比べたら徐々に増えてきているので、多少なりとも希望が持てそうな点もある。

地方で生産性の高い仕事をするには?

なお、観光業からもう少し視野を広げて、地方における産業全体で考えたとき、元リクルートの佐久間一己氏が書いた以下の記事がとても印象的だった。

ヒット商品をつくったり、富裕層を相手にビジネスしたりするか、そもそも顧客を地方と考えずにビジネスをするか、という方法しかないのでは、と思う。

↓佐久間氏による地方の成功モデル

① 原価率30%以下でつくれるヒット商品を開発してD2C(メーカー直売)で売る
② 都会の富裕層、インバウンドをターゲットした高単価のリゾート観光
③ インターネットサービス拠点を置き世界中で売る(この中にYouTuberなどインフルエンサービジネスを含む)
④ 低コスト高パフォーマンスの田舎暮らし路線

自分としても、美しい景観が楽しめる田舎暮らしを続けたいという想いがある。しかし、その実現には壁の高さも感じているところである。

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