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『白い雪と赤い華』 クロジ

2021年10月5日(火)12時開演
@全労済ホール スペース・ゼロ
¥7,000

クロジの舞台を観るのは、4〜5回目くらい?
過去作を調べるも、どれを観たやら観てないやら判別がつかぬ。確認しようとしたら、ブログに一回も書いてなかったのよこれが。ダメじゃんアタシ。という訳で今年は全公演記事にしようとココロに決めたのよ。
毎回、細見くんか三原くんを観るためで、そのうち一回は佐野くんもご出演でたいへんにおいしうございました。今回は細見・三原の両氏に見(まみ)えるので、これまたアタシ得。
チケット予約の案内葉書は届いたけれど、第5波襲来の辺りだったかで観るのを諦めるつもりでいたのよね。けれども何だかご縁がありまして、ぎりぎりにゲットしてしまったチケットにて観劇と相成った次第。

赤い華咲き乱れる古いお屋敷。
そこに住む罪にまみれた老女のお話。
(公式サイトより)

毎回ドラマチックかつゴージャスでとても見応えがあるクロジ作品。いかにも皆んな(って誰)の好きそうなやつ。廓ものとか、ファンタジーゲームっぽいのとか。あーーーーっ、わかるーーーーって感じ(わかる?)
今回も劇場内に入った時点で煌びやかな舞台セットにほほうと感心する。(んでもお花は白いけど?)没落華族でモチーフは白雪姫ってのも、あ〜〜〜〜、好きそ〜〜〜〜!ってね。
今回はプロジェクション・マッピングを多用してて、なかなか見応えがあったなあ。場転の時の空間が歪んで見えるような、ジラジラしたやつとかすごかった!

嵐の夜にひとりの書生が荒れ果てた屋敷に迷い込む。老女が雨宿りにと彼を小部屋へと招く。昔語りに老女が語った物語。
──貧乏な子爵令嬢・朱音(アカネ)は身売りして花房家へやってくる。実家に残した弟・蓬生(ヨモギ)の為、より稼ごうと屋敷お抱えの薬師について働くことに。
辛い奉公の日々、弟がくれた手鏡と花房の次男・上人の婚約者である千寿(チズ)とのお喋りが朱音の癒しであった。
実は花房も内情は火の車。当主・醍醐は華族の見栄を捨てられず、次男の上人は性根の腐った浪費家。長男の東(アズマ)が阿片の売買でなんとか財政を支えていたが、行く末を憂えた東はふたりを殺して当主の座についた。朱音は上人から虐待された際に東に優しくされ、醍醐に毒を盛る役目を担った。
東は朱音を妾にし、正妻には次男の婚約者であった千寿を据えた。子をつくり家の再興を目論む東だが、嫉妬した朱音は千寿を殺害し自らが東の子を産んだ。

「私の夢はこの家に君臨すること」とメラメラする朱音、もうとっくに弟のこと忘れてんな〜、ドロッドロじゃんすげえ。
東に指示されたんだろうけど、醍醐に毒を盛った言わば実行犯の朱音は自責の念に耐えられず、薬師にもらった忘却薬を飲んでしまう。そこから彼女の人生は落ちるところまで堕ちてゆく・・・んだけど、この薬が最後までよく判らなかったなあ。記憶のすべてを忘れるという訳じゃなくて、罪悪感とか良心を忘れるみたいな感じ? 花房の裏家業(表家業が何かは不明・・・もしかして何もしてなかった?)である阿片の様なものかも知れない。

紺絣のおぼこい少女が罪を重ね、ぞろりとした朽葉色のドレスでマクベス夫人の様な悪女と化した頃、彼女の大切な弟がやって来る。弟のことなんかすっかり忘れてるのかと思いきや、涙を流して再会を喜ぶ朱音。アタシの脳内は「???」
朱音は生まれた子に白雪と名付け溺愛し、汚れた世界を見せない様に目隠しをしたまま育てた。白雪が29歳(!)、朱音は毒々しい真紅のドレスとメイクですっかり「恐ろしいお妃様」に変わり果てていた。
花房の阿片で故郷を破滅させられた男が復讐のため屋敷に潜り込むが、白雪と出会い彼女と情を通じ目隠しを外させる。

なんだかあらすじ書いてるだけでやたら時間がかかるし、だんだん疲れてきたぞ。しかも記憶が薄れてきた・・・(汗)
とまあ、無茶苦茶な花房家が最後に滅亡するんだけど、屋敷に火をかけられ焼け落ちるというドラマチックなシーンはアレ? これ前も見たな、と。『きんとと』のラストもそんなだったような。いや、『いと恋めやも』だった? 悲劇のラストは舞台が炎上して終了っていう定型文になってる気がするぞ。

んで最初のシーンに戻る。書生は蓬生(の生まれ変わり?)で、老女(朱音)に全てを思い出させるんだけど、あれはとても残酷なのでは? 罪にまみれ破滅したことを思い知らされるなんて。あんなにめちゃくちゃなひどい人間に成り果てたのに、姉様が好きってちょっとおかしくないか・・・。よくよく考えたら蓬生って何にもしないよね。姉が罪を重ねても非道なことをしても止めたり諌めたりしないし、そもそも働かずお屋敷に転がり込んでタダ飯食いの居候・・・
やさしくて姉の心の拠り所だったかもしれんが、アタシはこの子がいちばんヤバい気がする!
あ、薬師もヤバいか。阿片作ってんのって薬師でしょ? 朱音のこと気に入った理由もあんまり腑に落ちないし(花に似てるって言われても)、気に入ってるならなぜ忘却薬渡したのか、罪に塗れるまま放っておきつつ、最後に愛してたよと呟くだけ呟いて。え、それだけかーい!ってココロで突っ込んだわよ。じゃあなぜ何もしてやらなんだ。
まあ何だかんだ言っても、罪を犯した本人が一番ヤバい訳ですが。

いやー、なんつーか色々てんこ盛りで目も頭もチカチカでお腹いっぱいだったわあ。チラシも当日パンフやキャスト表もなかったので役者さんのお名前が分からず。帰宅後公式サイトで確認したわよ。Wキャストとか日替わりゲストとかあって把握しきれてないけどw
朱音役の方は老女、お女中、マクベス夫人、怖いお妃と変貌っぷりが見どころね。特にお妃。強烈な役の方がイキイキしてる。
お目当ての三原くん、また鼻持ちならないバカボン役。これも「アレ、デジャヴ?」ってなったw しかしあの衣装、本当にバカバカしいほどバカボンだったww
お目当てその二、細見くん。第一声で「相変わらずいい声〜」と聞き惚れましたとも。まあまあ悪人だけど、頑張って再興しようとしたんだよね。悲痛な面持ちも渋カッコ良かった。
白雪ちゃんは可愛らしかったなあ。声がまたキュート。東パパは死の間際に「自由に生きろ」と言い残してたね。娘を愛してるのがまたよいわ。

無意味に長くなったんでそろそろ締めよう。
あれこれブツクサ言ったけど、まあ結局楽しんだよね。色々と堪能した。千寿の書いた小説で朱音とふたり「尊い」とか言ってキャッキャしてるのとか、腐女子っぽくてちょいと恥ずかしい気がしたけどw
えっと、最後に。今度は憎らしいバカボンじゃない三原くんを見たいので、だれか素敵な役で呼んでください。(その時は痩せてくださいね・・・)
細見くんの素敵な役も見たいなあ。誰か素敵な役で以下同文☆


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