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『ケンジトシ』 シス・カンパニー

2023年2月21日(火)14時半開演
@シアタートラム
¥7,000(トラムシート)

2、3年前からシス・カンパニーからのメールが来なくなり、気づいて何度もメルマガ登録を設定し直したけど結局ダメで、いくつかの公演の先行発売をスルーしてしまった。試しに別のメールアドレスで登録したら今度はメールが来た!
しばらくぶりで先行予約しようと思ったら、先着じゃなくて抽選になってる。開始時間にネットに張り付かなくていいけど、以前はするっと買えたのが手に入りにくくなった気がするなあ。
とりあえず今回はギリでトラムシートが引っかかったのでホッとした。

舞台で倫也くんを観たのは直近では新感線、その前は『八犬伝』や『流れ姉妹たつことかつこ』くらいかな。いまはもう舞台のチケットが取りにくくてな・・・。今回いっちばん後ろの席(席と呼べる席ではない)だけど、トラムなのでなんとか見えるかなあ。
黒木華ちゃんも好きなので楽しみにしていたんだけど・・・ストーリーらしいストーリーはなく、抽象的なイメージの羅列が続く作品で、つい意識が朦朧と・・・。いや、寝てはいない(と思いたい)けど内容をあんまり覚えていなくて。目は開いたまま脳みそは寝てたのか? ううう、残念なことをしてしまった。

舞台には中央に正方形の板と、その奥に一段高い通路のような板を上下(カミシモ)いっぱいに渡してあり、舞台の面(ツラ)中央にライトがひとつだけ。素舞台に近い状態。(ライトと思ったのは機材ではなく、小道具の「幻燈機」だった)
上手袖に椅子があり、最初にビオラ奏者が登場してその席について開演。
軍服姿の石原莞爾とその部下、謎の動物のような衣装を着けた3人のコロス(コーラスの語源)、そしてケンジとトシ。

宮沢賢治には詳しくはないけど、周囲にけっこうコアなファンがいたこともあり、ちょっとは知ってるというくらい。小学生の時は担任の先生が『アメニモマケズ』の全文を模造紙に筆書きしたものを教室に貼り出したり(今思い出すとちょっとこわい)、それとは別に教科書にも何度か登場したし。賢治の妹といえば有名な『永訣の朝』、「あめゆじゅとてちてけんじゃ」。
好きでずっと観ていたキャラメルボックスでは、度々芝居のモチーフに使われていたり。
『ケンジトシ』の劇中で出てきた詩のカケラも、聞き覚えのあるものが多かった。
舞台上で展開するふわふわとした心象風景を眺めながら、カニは『やまなし』かなとか、幻燈と賢治が類義語みたいに感じるのは何でだっけかな・・・とふわふわ考えているうちに、脳みそもふわふわに・・・

「兄に大人の恋愛はできません」というトシの台詞が印象的だった。「アドレッセンスの人なので」と。色々な気持ちや考えを想起させる言葉だ。
彼女についてはほとんど知らなかったけど、すごい人だったんだな。この作品はもしかしてトシが主人公なのかも。彼女についてもっと知りたくなった。

劇中でコロスが「ワカラナイ、ワカラナイ」と繰り返す部分があり、観ているこっちの気持ちを代弁してるのかと思ったw
ふわふわしたイメージの塊みたいなものを抱えて劇場を出る時に、何となくパンフレットを買ったけど、これは正解だった。内容を読んでみると、芝居について理解できたわけではないけれど、ケンジとトシについて思いを巡らすよすがになったと言うか。
観劇から時間が経てばこのふわふわは雲散霧消しただろうけど、パンフレットを読んでそいつのしっぽというか端っこを捕まえたような気がする。
日時は未定だがWOWOWでの放映があるということなので、もう一度観ることができるのが楽しみ。


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