(過去記事)初公開!"100mを10秒台で走るフォーム"の作り方
【"100mを10秒台で走るフォーム"の作り方】
-目次-
┃FILE-01.■ ランニングフォーム "足が遅い人の8つの特徴"
┃FILE-02.■ ランニングフォーム "3つのPoint"
┃FILE-03.■ "3step練習法"①確認テストをしてみよう!
┃FILE-04.■ "3step練習法"②毎日の練習はこうやろう!
┃FILE-05.■ まとめ
┃FILE-01:100m 10秒台で走るフォームを解説
"足が遅い人の8つの特徴"
まずはじめに、早速良いフォームと悪いフォームのそれぞれの差をあげさせていただきました。
↓速い人とそうでない人を見比べる際に顕著に差が出る部分をこちらに抽出します。
【足を遅くする"いらない8つの動き"】
▷膝が ❶スイング時に早めに開き出す
❷ドライブ時に後ろに流れる
▷接地時に膝が ❸前に出る
❹内or外に向く
▷接地時に骨盤が ❺回旋する
❻片側落ちる
▷上半身が ❼猫背になる
❽肩と肘が上がる
※なぜこの8つなのか、理由はこちらを参照
【補足-01】■ "速く走る" とは、"8つのいらない動きをしないこと"
私の指導と競技の経験上、"以下の3つのポイントを押さえた姿勢で走れば、勝手にいいフォームで走れるようになる"ため、良いフォームか悪いフォームかの説明はこれくらいにして、早速どうすれば良いフォームで走れるのか説明していきます。
┃FILE-02:100m 10秒台で走るフォームをつくる
"3つのPoint"
【いいフォームで走るための3ポイント】
①腹圧を高め手足をコントロールする
②股関節と中足部に体重が乗る
③背中の筋肉が使える
先ほど"3つのポイントを押さえた姿勢で走れば、勝手にいいフォームで走れるようになる"と述べましたが、私はこの3つがスプリントの本質だと捉えており、このポイントを押さえ続けることができれば、自然と速く走れるフォームになると考えています。
逆に脚の動かし方や手の振り方を変えようとあの手この手で試行錯誤をしても、上記の姿勢を作れていないがために一向にフォームが改善されないという中高生も多く見てきました。
ちなみに、3つの中で特に①の"腹圧を高める"ということを最重要視しています。
詳しくはこちら!
【補足-03】■ "速く走る"ために必要な要素を1つだけ挙げるならば...
では、まずは以下の3つの要素を押さえられているかの確認として、10ヶの動きづくり(スプリントドリル)で確認してみましょう。
その際、以下のポイントに着目します。
【再確認:いいフォームで走るための3ポイント】
①腹圧を高め手足をコントロールする
→ドライブ&スイング時に膝が開いていないか、流れていないか
②股関節と中足部に体重が乗る
→膝が接地時に前に出たり内側外側に曲がっていないか
③背中の筋肉が使える
→猫背になって肩肘が上がったり脇が開いていないか
┃FILE-03:100m 10秒台で走るフォームをつくる
"3step練習法"①確認テスト編
▷スプリント技術を凝縮した動きづくりで確認テスト
↑まず、こちらの動画の4つのスプリントドリルを真似してみてください。
この動きづくりをした場合に前述の"8つのいらない動き"が出てしまった場合、以下の3つの可能性が考えられます。
そしてこれが、速く走るために強化すべきものだと私は考えています。
・原因1:走りの"技術不足"
・原因2:土台となる"筋力不足"
・原因3:筋肉の"可動域不足"
◎原因1:走りの技術不足
"弾む&前に乗り込む"
フォームが悪い原因として考えられる1つ目が"技術不足"です。
"速く走る"という行為の接地時間(地面に足がついている時間)は最短で0.09~0.1秒になるとも言われます。
その一瞬の間に、"地面に力を加える→反発をもらう→前に進む推進力に変える"という作業を完結させなければなりません。
そのためには、"弾む" "前に乗り込む"などいくつかの感覚が必要となります。
その感覚をつかむためには、
①感覚をつかめるまで毎日繰り返す
②適切なアドバイスのできるコーチにみてもらう
③感覚をつかんでいる人にコツを聞く
です。
③について、感覚の言語化が特にうまく、また書籍やWebやメディア上で発言を入手できる方々を以下に挙げさせていただきます。
(山縣亮太選手、小池祐貴選手、木村淳選手、為末大さん、武井壮さん、ポンピュンランの川本和久さん)
◎原因2:土台となる筋力不足
"固めるところを固めて、動かすところを動かす"
2つ目に考えられる原因は土台となる筋力不足です。
"100mを走る"という行為は片脚でのジャンプを50回ほど繰り返しますが、地面に足を着いた際には体重の4~5倍の負荷が片脚にかかります。
その衝撃に耐えられず姿勢が崩れてしまい、力の出せるフォームを保ち続けられないというのが、フォームが崩れる2つ目の原因です。
ちなみにこの"土台となる筋力"が不足しているうちは、先ほどの動きづくりを正しく行うことは難しいです。
もちろん動きづくりをしているうちに筋力がつくこともありますが、"連続片脚ジャンプ"となるスプリントドリルは負荷が高く、オーバーワークとなりケガをするリスクも増えるため、"寝た状態"や"止まった状態"から土台と筋力をつけるトレーニングも積極的に取り入れることをお勧めします。
▷土台づくりの確認テスト どこまでできるかな?
↑この中からいくつかピックアップしました。
それぞれLevel1からLevel5までどこまで耐えられるか、こちらの動画の土台づくりを試してみてください。
↑こちらはLevel0~Level1の難易度の動作になります。
骨盤がぶれたり、腰が反れたり、膝が固定できなかったり、肩ひじが上がるなど、自分の弱い部分が明らかになります。
そしてそこが伸びしろとなります。
◎原因3:筋肉の可動域不足
"そもそも物理的に無理?"
フォームが悪い人に考えられる原因の最後は、筋肉の可動域不足です。
これは適切な位置まで脚が上がらなかったり腕が肩甲骨から引けなかったりと、身体が硬いためにそもそも目指すフォームが物理的に実現不可能という意味です。
私の経験上、中学生より高校生でよく見られます。
その状態で動きづくりや土台づくりのトレーニングをしても一向に走りはよくなりません。
まずは何より適切な柔軟性を作ることを最優先にしてみてください。
では、スプリントに特に必要な筋肉の可動域が十分に足りているかどうか以下の動画を参考に試してみましょう。
▷各筋肉の可動域が足りているか、確認テスト
↑この21ヶを伸ばすストレッチのうち、私はW-upで14ヶ、C-downに21ヶのストレッチを入れています。
↑こちらのサイト上に9ヶの可動域テストがあります。
ぜひ試してみてください。
また、近年話題に上がる"静的ストレッチ不要論"についてはこちらに持論をまとめました。
【補足-04】.■ 静的ストレッチは必要?不要?
▷最後に全身のパワーを図るコントロールテスト
最後に、瞬間的に力を発揮するプライオメトリクスのテストを4種類行ってみましょう。
十分な可動域・土台・技術があっても、全身のパワーがなければ大きな力は生み出せません。
今回は①立ち幅跳び ②立ち五段跳び ③30mバウンディング ④メディシンボール投げ の4つを挙げさせていただきました。
こちらに関しては、100mの目標とするタイムに合わせて、目安となる目標値がWeb上などでも見つけられますので、ご興味のある方は検索してみてはいかがでしょう。
適切な可動域を手に入れ、土台となる筋力がつき、力を発揮する技術が伴い、そして全身のパワーを増やしていけば、必ず今より足が速くなります。
速く走るとは・・・
"筋肉の可動域×土台となる筋力×正しい動き×全身のパワー"
そして最も大事なことは、これらのテストを月に1回など、定期的にしていくことです。
そしてその際に、具体的な目標を立てることです。
例えば、100m 10秒台で走るのであれば、それに見合ったテスト結果の目標を立てることが重要です。
理想と現実との差を確認し、それを埋める努力をコツコツと継続することが目標達成への1番の近道です。
-重要:月一で確認テストをしていこう-
テスト①:走りの技術のテスト
テスト②:土台となる筋力のテスト
テスト③:筋肉の可動域のテスト
テスト④:全身のパワーを図るコントロールテスト
-他のメリット-
メリット➊ 自己ベストが出たときやケガをしたときの状態がわかり、今後の指針ができる
メリット➋ 様々な練習が、それぞれなんのためにあるのか理解できるようになる
メリット➌ ノウハウの蓄積や目標の共有ができチーム力があがる
では次に、具体的に毎日どのように練習していくべきかを簡単にまとめてみます。
┃FILE-04:100m 10秒台で走るフォームをつくる
"3step練習法"②毎日の練習編
▷W-up開始からメニュー開始まで
W-upはこのような流れと時間配分で行っています。
お気づきの方もいらっしゃると思いますが、ほぼ先ほど動画で載せた確認テストの内容通りになっています。
https://www.nhk.or.jp/lifestyle/article/detail/00215.html
❷メニュー終了からC-down終了まで
私は補強の内容を"W-upに取り入れた土台づくりと動きづくりに、➊負荷 ➋不安定 ➌捻りや横の動きをプラスしたもの"にしています。
↓何種類か動画であげさせていただきます
指導をしている選手の方々は各チームごとに補強など走メニュー後の流れがあると思いますので、自分のチームの練習に取り入れられるようアレンジしてもらっています。
例えば、部活後家で1人で出来るようにしたり、皆でできるチームはゲーム性を取り入れたり、15分しか補強時間が取れないチームはサーキットを作成したりしています。
また、自分の目指す目標に基づいて、補強の回数や強度を決めてもらっています。
例えば、『来月100m 10秒台に突入したい。その目安として可動域・土台・技術・全身パワーがこれくらい必要。今はこれだけしかないから、この1ヶ月間の練習メニューはこうしよう。』と論理的に計画と実行を行い、なるべく正しい努力のみをするよう心がけています。
要するに、PDCAをしっかり回したトレーニングです。
┃FILE-05:100m 10秒台で走るフォームをつくる
"まとめ"
以上、長々と"100mを10秒台で走るフォーム"の作り方を書いてきましたが、この内容を1枚のシートにまとめてみました。
また、よくある質問も以下にまとめましたので、ご興味のある方はご一読ください。
【自己紹介】.■ 筆者は何者??
【補足-01】.■ "速く走る" とは、"8つのいらない動きをしないこと"
【補足-02】.■ 練習で全力疾走する?しない?
【補足-03】.■ "速く走る"ために必要な要素を1つだけ挙げるならば...
【補足-04】.■ 静的ストレッチは必要?不要?
【補足-05】.■ 理論と感覚、どっちが大事?
【補足-06】.■ 走り込みは必要? "量と質"
【最後にもう一度】
速く走るとは・・・
"筋肉の可動域×土台となる筋力×正しい動き×全身のパワー"
-※ご参考に!各種おすすめ紹介!-
【可動域づくり】
・おすすめの接骨院紹介:Webメディア "あすりーとTIMES" ※準備中
・中野ジェームズ修一さんの書籍
【土台づくり】
・走動作のファンクショナルトレーニング
・おすすめのトレーナー紹介:Webメディア "あすりーとTIMES" ※準備中
・五味トレーナーのinstgram
→日本のトップ陸上選手の走る以外のトレーニングを知れる貴重な場所です。私がこの練習法を考えついたきっかけは五味さんとの出会いによる影響が非常に大きいです。
【動きづくり】
・洛南高校 柴田先生の書籍
・洛南高校のドリル
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