『プロダクトデザインに関わる心理学紹介』(海外記事紹介)
原題は、"UXデザインとはスケッチブックを使った心理学"という感じでしょうか。
■概要
デザインのプロセスは、最後の状態から逆算して行う。
1. エンドステータス(あるべき姿)を定義する
2. そのための行動変容を特定する
3. その行動周辺を調査する
4. インサイトに基づきソリューションをデザインする
ユーザーの行動を理解すことが重要であり、そのためのフレームワークが紹介されています。
① Self-Determination Theory(自己決定理論)
※上記の記事より
内発的動機付けのためには3つの要素が必要。これをプロダクト全体のデザインにどう取り込んでいくか?
・Autonomy(自律性)
・Competence(能力)
・Relatedness(関係性)
② The 3 B's
・Barries(障壁)・・・・阻害要因は何か
・Behaviors(行動)・・・実際に何をやっているか
・Benefits(恩恵)・・・・何が嬉しいか
これらの要素は、ユーザーの行動様式に影響すると。
③ Fogg's Behavior Model(フォッグの行動理論)
B = MAT | 行動 =モチベーション x 能力 x きっかけ
B: Behavior, M: Motivation, A: Ability, T: Trigger
■使い所
SDT(自己決定理論)の観点で見ると、プロダクトの主要指標として最初から内発的動機付けに関する指標などを設定してしまうケースがあります。特に、PSFフェーズなどで顧客の課題が解消されたかを計測する時など。HEARTフレームワークでHappiness系の指標を作るときにありがちかも。
しかし、実際にはそこに至る険しい道のりがあります。よって、フェーズやプロダクトの成熟度に応じて、SDTを参考に体験を設計し、ユーザーストーリーに落として計測してく、という流れが現実的だと思います。
3B'sのうち、特にBehaviorsは重要だと思っている派です。ユーザーがどういう行動を行っているか?この観察から浮かび上がるインサイトは、プロダクトや事業全体にフィードバックをもたらします。
Fogg's Behavior Modelのトリガーもユーザーを獲得する際に意識しないといけないポイントだと思いました。ペインを持つターゲットを特定するだけでは足りず、きっかけをデザインしていくことも合わせて重要となりますね。