かれない

 寂しくて仕方がない。失うということには、多分それくらいの深さがあるからだ。それは、得られないということよりも、ずっとずっと辛い。憧れのキラキラした時間よりも、私は、ここにあったはずの日常に恋をしている。これからも失ったままなのに、それでもまだ欲しいと願うのだろうか。涙が枯れる前に水を遣るなんて卑怯だ。

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