今日を私の日にしたいと思った。

 私はどうして彼らのことをこんなにも愛してしまうのだろうと思っていた。だけど変わらないおいしさを提供し続ける彼らは、私からどうしても離れたくないようにもみえた。ひとつひとつの言葉と音が、言葉にすると嘘になってしまうくらいに、愛おしかった。私たちの関係がこれからも続いてくれることをどこかで本当に願った。彼らが今までにみせてくれた景色も、何度もした約束も、私にとっては宝物のようだ。果たせなかった約束の先にある今が、キラキラと輝いてくれるなら、ただ生きているだけで、それだけでいいのだろう。

 私は彼らの健康や幸せを願うほどに、それくらいには彼らのことを愛おしく思っている。彼らが私になにかを与えたわけではない。ただ求めたことに応えてくれるというだけのことが、それだけのことが愛おしくて仕方がないのだ。生き様をみている、それだけなのに、堂々と生きる糧になる。別に大した義理はなくても、生きていてくれてありがとうと素直に言える。

 また好きになってしまったなと悔しくなる。もっと生きながらえてくれよと祈る。
こうやって忘れたくないことばかりが増える。忘れられない夜に縛られる必要がないのは、これまで続いてきたからで、これからも続いていくからだ。

 本当にしょうもないだけの日々でも、バカなふりをして笑っていればそれなりにはみえる。別に誇りも名誉もなくても、息は吐けばまた吸える。昨夜はありがとう、いつもありがとうね。どうせどこかでまた会いましょう。

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