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小説

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自筆の小説(散文)
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#詩

かれない

寂しくて仕方がない。失うということには、多分それくらいの深さがあるからだ。それは、得ら…

相川 実
2年前

このドロっとした、どうしようもない

言えないことだらけだったのに、あなたに一本ずつ棘を抜かれて丸くなっていく。このままいつ…

相川 実
2年前
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秋夜

胡瓜を齧る音もあなたの声のうちで、南瓜を煮る湯気だって私の匂い。柚子胡椒が好きな私と、…

相川 実
2年前
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残った夏の部屋

空の色を曖昧な表現に溶かす。あの雲の形は、などと語ったって、結局は遠いままで近づいたっ…

相川 実
2年前
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行方

ドアを開けた。開けたドアの先には何も見えない。ただ時折懐かしい匂いがする。ドアはそれ以…

相川 実
2年前
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雨と

眠れそうだと思った夜ほど、上手くは眠れないものだ。許せないことはいっぱいあるほうが一緒…

相川 実
3年前
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のひ

明日は君の日だからね。明日は君の日だ。明日は君の日、だからちゃんと生きていて。 明日は君の日だから、つまり明日はあたしの日だ。ちゃんと生きているよ。ちゃんと生きていくよ。だから覚えていて。忘れないことを忘れないで。こんなありきたりも、明日になるんだよ。知っていて。 明日は君の日で、君の日はあたしの日で、つまり明日はあたしたちの日だ。ただのへんてこなあたしたちの日。ちゃんと覚えていてね。なんてね。 ねぇ、明日は、どんな日になるかな。

理由なんて

空が青いから人を殺したいと思ってしまいました。空があまりにも青いから、私は誰かを殺めた…

相川 実
3年前
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菓子缶

穴があったら入りたい、なければすぐに諦めるけど。犬が歩いて当たった棒は、嘗ては私の脚だ…

相川 実
4年前
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