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小説

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2021年7月の記事一覧

端っこ

まだ真ん中はダメだから端っこ。端っこは真ん中よりもホコリっぽい。だけどまだ真ん中を知ら…

相川 実
3年前

そうでもない男

珍しい顔の男がこちらを見ていた。珍しい顔というのも今の時代禁句なのかもしれないが、とに…

相川 実
3年前
1

夏頻り

夏を探して歩いたら、夏に追い越された。仕方がないから、日焼け止めのスプレーをその辺に撒…

相川 実
3年前
3

攻防

寄生生物に心を乗っ取られて死んでみたい。そう思ったのは、寄生生物のみせる病変という言葉…

相川 実
3年前
1

夜を拾う

眠らない街にも睡眠改革が起きて、眠れない夜は私だけのものになった。夜に働いていた私は朝…

相川 実
3年前
4

ついばみ

真っ赤な太陽がこちらをみている。ああ私はどうしてこうも、女という運命から逃れられない…

相川 実
3年前
1

あんぱんみたいな

あんぱんみたいなパンを食べた。ぎっしりと中身の詰まった甘いパン。あんぱんみたいなパン。昔りさちゃんとパン屋さんごっこをやったときに売っていた甘いパン。パンはパンの味がするからパンだとすぐにわかる。あんには色々な味があるから、あんなのかあんじゃないのか、すぐに上手にはわからない。 おいしくて甘いパンは、おいしくて甘いから好きだ。あんぱんも好きだし、あんぱんみたいなパンも好き。だけど、大きくて硬いパンも私は好きだ。硬いパンは、柔らかくないから面白い。喉が渇くから面白い。大きか