サラリーマンの健康保険は「扶養家族が増えても保険料は同じ」って、知ってました?

例えば、結婚して、赤ちゃんが生まれたとします。

新しく誕生した赤ちゃんに名前をつけたあと、健康保険証を作ってあげなければなりません。

サラリーマンの場合、その手続きはそう難しくはありません。
会社に健康保険被扶養者(異動)届という書類を提出すれば、赤ちゃんはお父さんかお母さんの被扶養者となり、数日中に健康保険証が届きます。

サラリーマンが加入するこの「健康保険」の大きな特徴として、「被扶養者」という概念があることです。

会社の勤めている「被保険者」ご本人の扶養家族の方は、「被扶養者」として「被保険者」と同じ健康保険に加入し、被保険者と同じく病院で治療を受けられます。


被扶養者とて認められる主な基準は、その家族の方の条件によります。

1、被保険者との続柄(何親等か)
2、収入(生計維持関係はあるか)
3、同居か(同一世帯か)

収入の基準は、一般の方は130万円未満、60歳以上の方や障害のある方は180万円未満です。


そして、意外と知らない人も多いと思いますが、「被扶養者」分の健康保険料は実質0円です。
扶養家族は何人増えても、給料から引かれる健康保険料の金額は変わりません。
独身の被保険者も、5人の家族を養う被保険者も、年齢・収入が同じなら、健康保険料は同じです。

これが、自営業の方が加入する「国民健康保険」との大きな違いの一つです。
国民健康保険には被扶養者という概念がなく、家族が多いと保険料も増えるのです。

ちなみに、病院へ行って支払う治療費は、サラリーマンの健康保険も、国民健康保険も3割負担で同じです。

何度かこのnoteで申しあげてきましたが、社会保険の制度はサラリーマンのほうがとても優遇されています。


この制度はお子さんの多い家庭にとっては、とてもよい制度です。

微妙なのは、ご存じ、配偶者の方です。
典型的な例として、パートタイマーとして働いている主婦の方。

年間収入130万円未満なら、夫の扶養家族として、夫の勤める会社の健康保険に加入し、自分の健康保険料を払う必要はありません。

130万円以上の場合、夫の健康保険から抜け、自分で健康保険料と厚生年金保険料を支払わなければなりません。
いわゆる「130万円の壁」というやつです。

この壁は高く、例えば年間収入130万円なら、年間の健康保険料はおよそ65,000円、厚生年金保険料は120,000円です。

税金も計算に入れると約160万円くらいまで収入を上げないと、手取りが減ってしまいます。

それでも、厚生年金は老後に老齢厚生年金となって戻ってきます。
しかし、健康保険は保険的にいうと完全に「掛け捨て」です。

保険料をいくら支払っても、その間に保険給付の事由が起こらなければ、後で戻ってくるお金はありません。

私の感覚では、主婦パートの方々も何となく、「103万を超えてはいけない」「130万を超えてはいけない」ということをフワッと知っているのですが、「なぜそうなのか」その制度と金額をしっかりと理解している方は少ないように感じます。

やはり、会社を辞めるのも、扶養に入るのも、抜けるのもキチンとした情報を持つことが必要だと思います。



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