綾瀬さんと真谷くん19「体育祭に向けて」

今日から体育祭の練習が始まる。2年が参加する種目はクラス対抗リレーと障害物競走、3200m走、騎馬戦(今時よくやるよ、とは思う)、学年対抗リレー、借り物競走かぁ。立候補制の種目ではなぜかいつの間にか借り物競走に出ることになってた。なんでだ。んで今日は? あぁ障害物競走の練習か。地味に嫌なんだよなぁ、めんどくさいの多いし。でも頑張るしかないか。成績悪いと姉ちゃんに笑われるし。
「障害物競走の練習きついなぁ……」
三周くらいさせられてやっと障害物競走の練習が終わった。ハードル跳び越えたあとに(姉ちゃんはなぜかこのハードルをいつも潜っていた。しかも飛び越えてる人より格段に速かった)、平均台があってそこを越えたら、跳び箱とネットといった感じに障害物が置かれてるからなかなかきついんだよなぁ……でもうちのクラス目標で優勝を狙ってるから頑張らないと。そう考えてると響がやってきた。
「優、お疲れ様」
「ありがと響……」
疲れてる時の響は本当に心に沁みる。
「次は3200m走の練習だけど大丈夫?」
「ああ。体力だけには自信があるからな」
姉ちゃんのおかげで。少し休憩したあと、3200m走の練習が始まった。運動場は1周200mだから、16周しないといけないんだよなぁ……地味に数えるの辛い。数え係の人と2人で数えるけど、でも辛い。
そう思いながら朝礼台前にあるスタート地点に立った。16人くらいが各レーンに並んだ。で、その脇に数え係がカウンターを持って立つ。いやシュールだよ。スターターピストルが鳴らされ練習がスタートした。16周走りきったところで、普通に練習が終わった。流石に2セットは無理だしよかったよかった。やっぱり16周はきついなぁ……そう思った時、授業終わりのチャイムが鳴った。よしこれで時間が余ったとか言う理由で練習が増えずに済む。正直本番は楽しいけど練習キツいんだよな、体育祭。

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