綾瀬さんと真谷くん38「体調不良」

テストが終わって数週間、最近寒さが強くなってきている。すっかり冬だ。
風邪ひかないように気をつけないとな……寝不足がたたってるのか、頭が痛いし……
そんなことを考えながら廊下を歩いていると
「優ー!」
響が話しかけてくれた。
「あ、響」
「顔色あまり良くないですけど大丈夫ですか?」
ここ最近調子がどうも良くなかったのがバレてたみたいだ。
「う、うん大丈夫だよ」
「あまり無理しないでくださいね」
「わかった」
笑顔で答えておく。心配させても悪いしね。
五限目。思ったよりきつくて、授業に集中するのがそろそろ厳しい。
「真谷さん、ではこの問題を前に出て解いてください」
あー、まずい、限界近いのに……
「……はい」
立とうとするとぐらりと視界が歪む。辛い。苦しい。動かないと……
「真谷さん?」
これ、まずいな……立ってんのか倒れかけてんのかもわからないや。
「あ、すみません…今行きます」
重く感じる体に鞭を打って歩を進める。
黒板の前に立ち問題を解く。
「はい、正解です」
なんとか問題は解けた。はやく席へ戻るとするか。
黒板に背を向け席へ向かおうとしたときついに限界が来た。
視界が急に遮られ僕は床へたたきつけられた。
気が付くと保健室に居た。
横を見ると響が座ってこちらを見ていた。
「ん……?ひびき……?」
「優、体調はどうですか?」
「少し良くなったよ」
「そうですか…それなら良かったです」
「そういや授業はどうしたの?」
「今は授業が終わって放課後です」
「そんなに時間が経ってたのか……」
「教室へ戻って帰る準備しなきゃ……」
そう言ってベッドから出ようとすると響に止められた。
「無理しないでください。また倒れたら困りますから私が優の荷物まとめて来ますね」
「そうか…じゃあそうするよ」
「分かりました」
そう言って響は保健室から出て、荷物をまとめに行った。
「寝不足が原因とはいえ、体調管理はしっかりしないとな……」
「自分の体調管理を怠ったのが原因だし次から気を付けよう」
数分すると、響が僕の荷物を持って保健室へ戻ってきた。
「お待たせ優」
「僕のためにありがとうね」
「響は荷物まとめなくてもいいの?」
「私はすでにまとめてあります」
響の足元を見ると響の鞄があった。
ベッドから降りて響から自分の鞄を受け取る。
「優、今日は私が送って行きます」
「大丈夫だよ響途中で倒れたりしないさ」
「でももしもの事があったらよくないので送って行きます」
「分かった。じゃあお願いするよ」
保健室から出て帰路につく。
五限目と六限目の授業内容を響から分かりやすく説明を受けた。
いろいろと話しているうちに自分の家についた。
「じゃあ私は帰りますね。また明日」
「また明日」
響が帰路につくのを確認してから家に入った。

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