真谷優の大学留学記31「クリスマスイブの夜に」


ドイツ・ミュンヘンを発った飛行機はクリスマス・イブ前日に無事に関西空港に到着した。手荷物検査などを済ませ、 空港を出る。到着したのが早朝だったため始発に乗り、四天王寺駅へと向かう。50分くらいで四天王寺駅に着いた。 駅を出た頃には既に太陽が空を照らしていた。そうだ。響達に連絡入れとこう。ここまで来るのに疲れたし、とりあえず家に帰って寝るか。駅から10分くらいで家に着いた。「ただいま。疲れたからちょっと寝る」あまりにも疲れていたので返答も聞かず、自室へ上がった。自室のドアを開けると、スーツケースを床に置きそのままベッドへ倒れ込んだ。

目が覚めると外は既に明るくなっていた。
時間を確認するとクリスマス・イブの昼時だった。「さすがに寝過ぎたな……ちょっと体動かしに外に出るか……」眠い目をこすりながら身支度をして外に出る。クリスマス・イブとあっていつにも増して人が多い。
疲れたので近くの公園で休んでると、なにやら人だかりができていた。気になったので近づいてみると大道芸のパフォーマンスが行われていた。
台の上に円筒を置いてさらに板を渡しただけのものに乗りながらジャグリングするというものだった。こういう大道芸人って並外れた身体力持ってるよね。大道芸を見てすっかり目が冴えたので帰路に着く。

家に戻ると自室に響がいた。夏休みの件があるからちょっと身構える。「あ、おかえり優!どこ行ってたの?」「眠気覚ましに散歩だよ」「道理で部屋にいなかったのね」「響はなんの用で来たんだ?」「今日クリスマス・イブだし一緒にデートしたいなって思って」なるほど。たしかに今日はデートにうってつけな日だ。「わかった。なら今から行こう」「うん」そんな訳で僕と響は街へ繰り出した。クリスマス・イブだから当たり前だけどどこもかしこもクリスマス一色だった。
まずはどこに行こうか。「響はどこか行きたい場所はある?」「まずは動物園に行きたい」「わかった」そんなわけで最初は動物園へ向かった。

1時間ほどで動物園を回り終えた。「次はどこに行きたい?」「次は……」デートを終える頃には外はもうすっかり暗くなっていた。「今日1日楽しかったよ響」「優が楽しめたのなら、良かったよ」「あ、そうだまだ言ってなかったね」「えぇ」「「メリークリスマス・イブ」」





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