綾瀬さんと真谷くん98「卒業へのカウントダウン」

刻一刻と卒業へのリミットが迫っている。この3年間はなんだかんだ言って充実した3年と言える。
「もうすぐ卒業か……嬉しいようでなんか寂しいな……」卒業式終わったあとはドイツへ行って色々と手続きしないといけないし。響は僕が留学してる間は留守番することになるし、留学中に他の男に流れられても困るから何とか対策したいな……。まぁ響は僕から離れたりしないから大丈夫だよね!うん。
3月に入れば授業はほとんどなく、単位も全部取れている状態なので授業をサボっても咎められない。なので屋上で図書室で借りた本を読んだり、昼寝をしたりして時間を潰している。その時、一陣の風が吹いた。校庭に咲いている梅が風に揺られ吹雪のように散っていく。「ふあぁ……春眠暁を覚えずとはよく言ったものだよほんとに」なんだか眠くなってきたな。ひと眠りしますか。

ん……なんだか頭に柔らかい感触がするな……。
うっすら目を開けると響の顔が見えた。あれ、もしかしてこれ膝枕ってやつか?!これまでにも何回かしてもらったことあるけど、まさか学校で体験するとは思わなかった。驚きのあまり完全に目が冴えた。……しかし響の寝顔ほんとに可愛いよな。こっそり撮っちゃお。スマホのサイレントカメラアプリを立ち上げ、寝顔を撮った。これでよしと。ふわぁ……また眠くなってきたな。もうひと眠りするか……。その後屋上にきた同じクラスの女子たちによって、僕と響の幸せそうな寝顔はdiscordの学年のグループサーバーに拡散されたのは言うまでもない。

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