真谷優の大学留学記41「いざ実践」

   ホストマザーのアンネさんが運転する車に乗り、日本の食材や調味料が売ってる店に向かった。
店内に入るとそこはもう日本のスーパーと遜色ない内装だった。内心逸る気持ちを抑えつつ、必要なものをカゴに入れていく。
   まずは卵だな。こいつがいないと始まらない。次は白だしのボトル。塩……は家にあるか。そうだ序に青ネギも買っておこう。必要なものが揃ったのでレジへ通す。支払いはアンネさんがやってくれた。家に戻り、早速準備に取り掛かった。
   キッチンに向かい、必要な道具を取り出す。必要なものが揃ったので卵焼き作りに取り掛かった。あとは一般的な卵焼きのレシピで焼き上げて行く。流し込んで巻く工程が個人的に難しいと思っている。その工程も難なくクリアし、綺麗な色の卵焼きが完成した。
   まな板にとり、ゆっくり綺麗に切り分ける。お皿に盛り付けて、ホストファミリーが集まるダイニングテーブルにそっと置いた。
  《これが日本の伝統的な卵焼きです》《これが日本の伝統的な食べ物??卵を焼いただけじゃない》アグネスが疑問をなげかける。《まあ食べてみなよ》僕がそう言うと、皆一斉に卵焼きにフォークを刺し、口に運んだ。しばらくの沈黙の後、        《卵だけなのにこんなに美味しいなんて!》《これが日本食なのか……》とそれぞれに感嘆の声が上がった。《次はこのネギを入れて作りますね》さっきと同じ要領で、ネギ入りも焼き上げた。《凄く美味しい!》《日本ってこんなに美味しい食べ物があるのね!いつか行ってみたい!》
   これも好評だったようだ。やっぱり日本食って人気なんだなと改めて思った一日だった。

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