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早く人間になりたい、までの道

今朝はこの冬で初めてお湯の水道が凍っていました。
何十年に一度かの大寒波がやってきているとのことですが、神奈川はちょっと寒いかな?くらいで雪も大して降らず、でも寒いので買い物にも行かずに引きこもっています。


そもそも冬が苦手です。
夏の暑さも決して好きではありませんが、寒さに比べたらどうということはありません。私は寒いと悲しい気分になることが多く、気持ちが落ち込みます。冬季うつというものがあるそうですが納得です。

暖かい国では時間の感覚が緩い、ある意味ルーズだと聞きます。
沖縄には「沖縄時間」という暗黙の了解があり、待ち合わせの時間に家を出るなど日常茶飯事だと言いますが本当でしょうか。
真偽のほどはおいておいて、暑いと大抵のことがどうでもよくなる感覚は分かる気がします。
ちなみに私にはのんびりと暖かく時間にルーズな南の島で生きてゆきたいという漠然とした夢がありますが、「寒い方が魚が美味しい」というただ一点のために憧れきれずにいます。北海道、お魚、美味しいよね。脂乗ってて。カニカニカニ。カニ食いてえ、殻剥いて貰って食いてぇ。


そういえば私は結構な大人になるまで「厚着をすれば暖かい」という当然のことをよく理解できずにおり、冬のたびに非常に寒い思いをしていました。
まあ、昔は今ほど裏起毛のインナーやら安くて軽いダウンやらが売っていなかった、ということもあるのですが、三万円の予算で冬のコートを買おうとして防寒性のない合皮のロングコートなどを選んでしまうというズレた人間だったのです。

二十代も半ばになって、見かねた友人がダウンをプレゼントしてくれたあたりで「どうやら世の中には暖かい服というものがあるらしい」ということを薄々気が付くことができました。
世間知らずというよりも、世界と自分の境界が曖昧だったというか、快、不快を自分でコントロールできる手段があることに気付いていなかったとでも言いましょうか。一言で言うとバカです。早く人間になりたい。

そんなわけで今は分厚い靴下に裏起毛のジャージ、ジェラピケもどきのモコモコぬくぬく部屋着にくるまれてホットカーペットの上で暖かく過ごしています。
早く人間になりたいと願うためには人間と自分の違いを知る必要がある、そんなことを思う冬の午後でありました。


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