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みゆママ食堂ヘようこそ!

夫は元シェフ。
ブルックリン出身で、
マンハッタンで修行を積んだ。

1981年、
まだ日本では馴染みのなかった
マクロビ料理が専門のシェフだった。

東京で生まれ育った私は、
ハンバーグやスパゲッティが大好物だった。

ニューヨークに来て、
玄米を食べ、
お豆腐やヒジキの大好きなアメリカ人と
恋に落ち、結婚した。

シェフとの結婚生活は
けっこう大変だった。

日本人同士の結婚でも、
味噌汁やお雑煮の味付けや
シチューにご飯は、アリか?
などといった事が問題になるのだから、
国際結婚での食べ物のバトルは
かなり激しい。

相手はシェフである。

夫は、22歳だった私に、
包丁の持ち方から
パスタの茹で方や
ステーキの焼き加減まで
手ほどきしてくれた。

結婚生活42年間の中で、
ハワイでは、マクロビ弁当屋を、
フロリダでは、
コーシャー(ユダヤ人の食事規制に則った)レストランを経営していた。
夫の創作料理は、
ハワイやフロリダの人々に、大人気だった。

現在、
半リタイヤの様な生活を、しているが
安息日などに、
友人に食事を振る舞うのを楽しんでいる。

友人達も料理上手が多い。

「これ、どうやって作ったの?」と尋ねると、
ほとんどの人が、
レシピのサイトを教えてくれる事に、
私達夫婦は、驚いてしまう。

料理を作るのに、レシピを見るのは
当たり前なのかもしれない。

でも、
夫は、レシピも計量スプーンを使わないし、
実家には、料理の本など無かった。
母も目分量で作っていた。

そして、夫も、母も、
とても美味しい料理を作る。

長年の経験で、勘が鋭くなった、とも言える。
何よりも、二人共、
自分の勘と舌や鼻を、信頼している。
そして、
家族の好む味を、熟知している。

母にはよく、
「ちょっと、これ、味みて」と言われて
小さな丸い皿の中のお汁を、
味見させられた。
私は、その度に、
もう少し塩味、などと
自分に課せられた役目に
責任を持って答えるのであった。

こうやって、
家庭の味、
おふくろの味、が作られるのだろう。

そうやって考えると、
私は、記事も
勘で即興演奏の様に書いている。

題材は、
冷蔵庫や棚にある食材、
つまり、そこら辺の日常が多い。
調味料やスパイスを、
ほどよくふりかけて、
事実に、少し味付けをする。
味見する様に、何回か読んで
簡単に推敲し、
家庭料理みたいな、記事が出来上がる。

書く事を、生業にしようとしている人は、
スキルやテクニックという
計量カップや上質の食材、
そして、人気のレシピ本が必須であろう。

私は、
私の記事、
という食堂に集まってくれる数人を
待っている。

心という、最高の調味料をたっぷり入れて。



ここに、来てくれて、ありがとう!
また、
「みゆママ食堂」に来てね!









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