見出し画像

監督が怒ってはいけない大会

競泳元日本代表の竹村です。
2020年12月に現役を引退し、水泳のコーチを経て
現在は、女子アスリート専門webメディア『B&(ビーアンド)』を運営しています。

✅転職の経緯はこちら👈

noteは飾らずにこれまでの経験や私の思いを綴っています。


8/19-20に秋田で開催された『監督が怒ってはいけない大会』にサポートアスリートとして参加させていただきました。

監督が怒ってはいけない大会とは?

元バレーボール日本代表の益子直美さんが代表理事を務める「(一社)監督が怒ってはいけない大会」が行う活動で、勝利至上主義を脱却し、選手・保護者・指導者の全員がスポーツを「楽しいと思えて、自ら考え行動でき、継続できるような環境」を考えるきっかけを与えるべく開催されています。

HEROs プレスリリースより

試合以外にも、アンガーマネジメントやスポーツマンシップの学びを深め、バレーボール以外のレクリエーション時間も設けられ、子どもたちの一生懸命や笑顔を増やす大会です。※開催時間により、内容は変更されています。

私も指導者から怒られ、暴力を振るわれてきたので、数年前にX(Twitter)でこの大会を知ってから大会の思いや意義に共感し、陰ながら応援していました。

今回日本財団様からお声掛けいただき、HEROsのサポートアスリートとして参加する機会をいただき参加が実現しました。

前回の『監督が怒ってはいけない大会』広島大会

HEROsとは?

“HEROs Sportsmanship for the future”は、社会課題解決の輪を広げるためのプラットフォームです。アスリート達の社会貢献活動を推進することで、スポーツでつながる多くの人の関心や行動を生み出す。共感と行動の輪を広げ、社会課題解決に取り組む人を増やし、社会貢献活動を行うことが世の中の当たり前になっていくことを目指すプロジェクトです。

引退してからHEROs ACADEMIAの0期生として、他競技の仲間と繋がり、社会課題やアクションの方法を学びました。アカデミア終了後、私ができる社会貢献活動を始めています。

元競泳日本代表の私が少年院に訪れる理由~ACADEMIA生初めての〜ACTION〜

何か社会のために行動したいと思っても方法がわからない中で、こうして知る機会を与えてくださるHEROsには感謝の気持ちでいっぱいです。

益子直美さんとの出会い

益子さんとは『監督が怒ってはいけない大会』に参加する前に
地方のお仕事でご一緒させていただきました。

その時に、怒られることが怖くて、勇気を出せなかったこと。
指導者との関係、バレーが嫌いになった経緯
そして暴力が横行しているスポーツ界のことを話してくださいました。

ご自身の辛い経験があっても、バレーに携わる覚悟を持ち
子供達の笑顔を絶やさないために、この大会を開催している思いに深く感銘を受けました。

誰にでも明るく丁寧に接する益子さんに一瞬で魅了されました。尊敬する女性の一人です。

私が賛同する理由

『監督が怒ってはいけない大会』に強く賛同している理由は、指導者から、怒鳴られ殴られながら水泳を続けていた経験があるからです。

通っていたスイミングスクールは、日本では有名な強豪校。はじめは楽しく水泳をしていましたが、記録が伸びた頃からコーチとの関係性が変わりました。

全国優勝をしてからは一変して、怯えながら練習に行く毎日。
怒られるかもしれない、殴られるかもしれないという恐怖に怯えコーチの顔色を見ながら泳いでいました。

中学に上がった頃からは、さらにひどくなり
冬のプールサイド(寒い)で、3時間水着のまま怒られ続け
鼻が骨折するほど殴られたことも。

その経験が脳に焼きつき、大人になっても周りの評価や、
結果が悪くて怯えてしまう癖はなかなか抜けませんでした。

その後に出会ったコーチや家族に救われて
大好きな水泳を引退まで頑張ることができました。

でも、きっと私はラッキーで
益子さんのようにスポーツが嫌いになって
辞めてしまう子どもたちもたくさんいると思います。

怒られ、殴られた経験があるからこそ伝えられることがあると思い
『監督が怒ってはいけない大会』では
挑戦したことを讃えて、出来ないことには思考を止めないように
子ども達と目線を合わせて対話をさせていただきました。

一生懸命頑張る子ども達の顔に、私も元気をもらい
伝えるばかりではなく、与えてもらって素敵な時間を過ごすことができました。

怒ってしまう指導者の方へ

大会では、指導者の方が怒る行為や強い口調、そして高圧的な態度も注意を受けます。

強くしたい、良くさせたいと強く思う気持ちが
「怒る」という行為に繋げているんだと思いますが

勇気を出してチャレンジしたことや
強くなりたいと思って頑張ったことで
怒られてしまうと次のチャレンジの足枷になってしまいます。

『監督が怒ってはいけない大会』では、子供たちが怒られないという安心感から自由に伸び伸びスポーツを楽しんでいるように感じました。

怒る以外でも子供達は成長します。ぜひ子供たちの無限の可能性を信じてあげてください。

ただ、怒らない=指導しない・指摘しないとは違います。

子どもが違った道を進んだ時は、近くの大人が、より良い方法を示してあげる(怒らないといけない場面も)ことで、更に成長につながると思っています。

いつかこの大会が開催されない日を目指して

『監督が怒ってはいけない大会』は
スポーツ本来の素晴らしさを実感できる大会です。

勝利至上主義脱却は、子どもたちの自主性を育み
試行錯誤することで結果につながります。そして、スポーツ以外でもその経験や考え方が活かせられると思っています。

益子直美さん、そして運営で尽力されている北川さんご夫婦の思いは
いつかこの大会が開催されなくなること。
そんな日が来る日を願い
私もできることに取り組んでいきたいと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?