「違くて」「違かった」に馴染まないのはなぜか
「違くて」「違かった」
使われるようになってからだいぶ経ちますが、どうにも違和感のあるこの言葉。
私の周りで実際に使う人はいませんが、テレビやネット上で耳(目)にするたび、気になります。
ということで、改めて調べてみました。
文法的には
「違う」の変化形?
そもそも「違う」を辞書でひいてみると、
3行目にある「動ワ五」とは、ワ行五段活用の動詞という意味。つまり「違う」は動詞。
本来なら
違わない、違います、違う、違う時、違えば
と活用します。
では、なぜ「違くて」「違かった」という変化をしたのか。
無理やり活用させたから、違和感があるのでしょう。
どこで使われるのか
先ほど私の周りで使う人がいない、と書きました。
というのも、私は関西生まれの関西育ち。
「違う」という意味で「ちゃう」という言葉を使うことが多いのです。
つまり、関西人には接する機会が少ない言葉と言えそうです。
その始まりは
では、どこで、いつ頃から使われるようになったのか。
私の中では、関東圏の若者言葉というイメージだったのですが、言語学者の井上忠雄さんの著書『日本語ウォッチング』によると、
福島県あたりで生まれ、北関東、東京へと広まり、この本が出版された1998年当時、すでに東京や埼玉の若者の間で使われていた、とのことです。
歌詞になった「違く(て)」
有名な曲なのでご存知の方も多いと思います。「違くて」という言葉に馴染みのない私は、歌詞にまで使われるんだと驚いた記憶があります。
曲の発売当時、桜井さんは27歳。スキマスイッチのお二人は26歳。まぁ、若者と言っていい年齢ですよね。やはり当時関東圏の若者の間では、普通に使われていたことが分かります。
『日本語ウォッチング』の出版から約25年。若者以外にも浸透し、すっかり市民権を得たように感じる「違くて」。
時代によって言葉は変化し、新しい言葉もどんどん生まれています。それは仕方のないことですし、面白くもありますが、やっぱり本来の日本語、正しい使い方も忘れずにいたいと思う私は頭が固いのかも知れません。(それでも、貫きますけど。笑)
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