【エッセイ】推し活をやめてしまった話(オチはありません)
先日、舞台を観に行った。もう何年も推していた俳優さんの舞台だ。
あえて名前は出さないでおく。だってこの文章が、その俳優さんの推し活を辞めてしまった話だから。
皆さんも知っての通り、舞台のチケットって先行や一般と何回かに分けて発売されるが、その中でもファンクラブでの予約抽選が一番早いのではないだろうか。そして、私はそのファンクラブの予約抽選で早々にチケットをゲットしていた。
先に感想を述べると、舞台は最高に面白かった。ユーモアもありサスペンス要素もあり、その俳優さんの他にもテレビドラマでよく観る俳優さんから、初見だったがかなり引き込まれる演技をされていた俳優さんもいらっしゃったり。2時間ほどの舞台だったが本当に食い入るように見入ってしまった。
最後、カーテンコールではスタンディングオベーション、私も立ち上りこれでもか、ってくらい拍手した。良かった。本当に面白かった。
同行の友人(同担ではない)には、観劇の前に、その俳優さんの推し活を辞めるんだと言う話はしていた。この舞台が最後なんだと。〝辞められるの?〟と言われた。そりゃそうだろう。長年推して来て、今回だけではなく何度も舞台を観に行ってたし、ドラマはもちろん、テレビ番組も録画し、写真集は特典のプロマイドに惹かれ2冊買った。
推しと言うのは推そうと思ってすぐに推せるものではないとよく分かっている。
実際、好きな俳優さんはたくさん居るし、そんな俳優さんたちが出演していると聞くと観るドラマはたくさんある。さすがに舞台にまでは行かないが、もし誰かが誘ってくれたら喜んで行くと思う。ではその俳優さんはどうだろう?もし次の舞台の情報が解禁されたら、私は行きたい!って思うのだろうか?衝動的にファンクラブを辞めてしまったので、誰か?に取ってもらうことのなるワケだけど、〝取れたよ、行こうよ〟って言われたら・・?? うん。行くだろうな普通に。そして、取れなかった、って言われたら残念に思うのだろう。
なぜ辞めてしまったのか?これと言った原因は、ある、あるんだけど、書いてしまうとバレてしまうかもしれないから書かない。その俳優さんの名誉の為にも、決して不祥事とか女性関係トラブル(既婚者です)でもなく、今も絶好調に活躍されているお方です。
でもある時から、テレビで見てもキュンとしなくなった。今までしてたんかい!と言われたら、してた。自身の年齢はさておき、キュンキュンしてたんだよ。本当に。
不意に出てくるCMとか、録画で出てきたら繰り返し観るほど、私はその俳優さんが好きだった。
でも突然、ダメになった。
いや、ダメではないな。嫌いになったわけじゃないから。
辞めてしまった理由は自分でもよく分かっていない。
でも昔ほどの熱量がない。要するに、冷めてしまった。
推し活は生きる力がみなぎる。活力になる!とは言え、〝今日からこの人を推そう〟と思って推せるものではないと思う。
急に、堕ちる。沼にハマる。
新たな推しをすぐに探そうとは思わないけど、よくよく考えると人生の初推しだったと思うので、また同じくらいの熱量で推せる推しができたら良いな、とも思う。
もしかしたらまた同じ人を推すかもしれない。それはそれで喜ばしいことだ。
突然始まり、突然終わる。
推し活は貴重だと思う。もし次に、推す!と決めた人が出現した暁には、また同じように、全力で推していこうと思う。
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