紺珠の閃き
流れる情景を線でなぞった。
震える手で歪んだ。
ぽつりと落ちたのは、
大きな雲を包んだ夕陽。
瞳に映る色を描いた。
パレットの外にはみだした。
そっと滲んだのは、
雨上がりの空に架かった虹。
心の中にある言葉を紡いだ。
そのかたちは淡く消えた。
ふと思い出したのは、
君がくれた愛情。
胸から想いが溢れた。
あのときと同じにおいがした。
ずっと痛むのは、
靄がかった気持ち。
君だけが全てだった。
好きな曲のメロディーを口ずさんだ。
ぱっと弾けたのは、
日々を奏でた音符。
白んだ運命の向こうにあった。
それは出会いと別れの波打ち際。
ひらりと靡いたのは、
揺れた季節の涙。
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