Miyu

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Miyu

写真家・フォトグラファー たまに小説やポエム ■ '04(19)♀ Ogaki, Gifu ■ camera ▶︎ NikonD500 ■ 無断転載、自作発言等禁止⚠︎ https://potofu.me/k32k6eos

マガジン

  • 小説・ポエム

    私が執筆した短編のポエムや実話を踏まえた小説をまとめてみました。

  • 写真集

    私が全国各地で撮影したさまざまなジャンルの写真をまとめてみました。

最近の記事

紺珠の閃き

流れる情景を線でなぞった。 震える手で歪んだ。 ぽつりと落ちたのは、 大きな雲を包んだ夕陽。 瞳に映る色を描いた。 パレットの外にはみだした。 そっと滲んだのは、 雨上がりの空に架かった虹。 心の中にある言葉を紡いだ。 そのかたちは淡く消えた。 ふと思い出したのは、 君がくれた愛情。 胸から想いが溢れた。 あのときと同じにおいがした。 ずっと痛むのは、 靄がかった気持ち。 君だけが全てだった。 好きな曲のメロディーを口ずさんだ。 ぱっと弾け

    • 写真合同展のお知らせ

      この度、東海地区大学写真部合同展で 私の写真が展示されることが決まりました。 2023年のテーマは「瞬間」ということで、 ポスターの写真にも選抜させて頂きました。 【開催の詳細はこちら】 主催・・・東海地区大学写真部合同展実行委員会 後援・・・愛知県教育委員会 日時・・・2023年12月12日(火)〜17日(日) 9:30〜17:00(最終日は16:00まで) 入場無料 場所・・・名古屋市民ギャラリー栄

      • 飴玉の色

        金木犀の甘い香りがした。 小さく咲いた蕾がひどく愛おしかった。 胸の中にある水たまりが凪いだ。 あの人の優しさに似ていた気がした。 日が暮れてぼやけた世界に輝いていた。 懐かしい日の思い出が 今でもずっと いじらしいほどに美しく火花を散らした。 湿った感情は真鱈に色褪せて かすかに酸っぱい雨を降らした。

        • +6

          ミニアルバム

        紺珠の閃き

        マガジン

        • 小説・ポエム
          14本
        • 写真集
          25本

        記事

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          夢でも逢えない人がいる

          夢でも逢えない人がいる

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          花一匁

          ぼくの名前を呼ぶ君の温もりが愛しくて、 そっと閉ざした心の奥にしまった。 ぼくに微笑む君の綻びが美しくて、 そっと強く抱きしめた。 でもいつかの花が枯れて、 いつかの嘘で雲がかかって、 あの日と同じ月は掴めないまま 水たまりに揺れた。 君はいつも涼しい音の中で、 潮の香りを拾い集めていた。 君はいつも靡く草原の中で、 優しく口笛をふいていた。 でもきっと愛しすぎたから、 きっと懐かしくなったから、 遠いあの星を見つめたまま ゆっくり深く息を吸った

          花一匁

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          夏の物語

          夏の物語

          +12

          紫苑

          何も言えずに立ち尽くした僕。 君は首を傾げて尋ねたけど、 喉まで来た言葉を上手く吐き出せない。 何も言えずに先を見つめた。 君はいつも通りにする。 どれだけ待てども届かない言葉は 伝わらないから仕方ない。 何も言わずに佇んだ君。 僕は不思議そうに話しかけても、 そのまま一人で行ってしまう。 静かに歩く道のり。 君が後ろで囁く一言。 継ぎ接ぎで聞こえない声は 何度繰り返しても二度と帰らない。 踏み出せずに座り込んだ僕。 気づかれないように流した涙は

          新しくThreadsの写真垢を開設しました! 興味のある方は是非、フォローやいいねを宜しくお願いします。 また、Twitterやインスタのリンクもプロフィール欄に貼ってあります。 https://www.threads.net/@miyu.pics

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          【旅行日記】大阪〜京都 part.2

          【旅行日記】大阪〜京都 part.2

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          名残

          梅雨時の日曜日。 前日の曇りの予報を翻した快晴と 日光を浴びた心地良いそよ風が掠める。 朝食のパンとコーヒーを飲みながら お気に入りのマグカップをテーブルに置いた。 日陰にある窓際のソファーで 揺れるカーテンをぼんやりと見つめる。 特に予定のない休日の昼下がり、 薄いブランケットを抱いてうたた寝をした。 指先に軽く触れる綿生地の感触が 幼い手で掴んだ母のスカートを思い出させた。 首筋が熱くなる。 浅い眠りの中で蘇る記憶。 母はとても教育熱心な人で

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          【旅行日記】大阪〜京都 part.1

          【旅行日記】大阪〜京都 part.1

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          哀の日

          雨が降る。 僕は傘をさして歩く。 弾く雨音が足元に落ちる。 ゆっくりと不規則なリズムを刻む。 水溜りを跨いだ、僕は映らない。 鼻先濡れるしとしとと。 あなたは泣く。 ほら、あの日も。 ビニールについた雫。 街の色に染まる。 泳ぐ光は温いまま。 鼻先濡れて冷える手。 もう何もいらないよ。 あなたは泣く。 ほら、またね。 あなたが流した涙。 溢れる言葉を契り散りばめた。 きらきらと放つ色を閉じ込めて。 僕の心につたう。 痛いよ。 窓から見え

          哀の日

          elle

          五月、涼しげな風が頬を撫でる。 茜色がさす帰路で天を仰ぐ。 飄々と空に浮かぶあの雲が羨ましかった。 今の僕の心に似合う言葉を探して歩く。 知らない誰かに届けるために書く。 はらはらと 揺らぐ君に花束を。 家に着いた僕はドアを開ける。 部屋に響く鍵の音がやけに大きく聞こえる。 書いた言葉はいつしか枯れたようで 消えかけた線を辿って紡いだ。 不完全なものだとしても。 とんとんと 呑みくだす気持ちは秘密のまま。 また君が泣いている。 吐き出した声が僕の

          もしも話

          もしも僕が今朝のご飯を残さず食べたら 良かったのかな。 でも、君は「無理しなくていいよ」って 言ってくれたっけな。 もしも僕が上手く笑える人だったら 君に迷惑かけずにすんだのかな。 君の顔も声も忘れられないまま 僕は今でも思い出しているよ。 でもさ、それじゃあさ 君とずっとバイバイ出来ずに 哀しませてしまうから さようならしないとね。 もしも僕が素直な人だったら 君は最期に微笑んで許してくれたかな。 いつかの夕焼けに沈む太陽のように 暖かい影をう

          もしも話

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          【私の作品紹介】2023.1〜2

          【私の作品紹介】2023.1〜2

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