旅人の唄
誰も
旅人を慰める言葉を知る者などいない
私も
君を癒す言葉を探すけれども
ただ無口になるばかり
君はきっと 寂しいだろう
私もやはり 寂しいのだ
そして その寂しさを分かち合う術を知らぬことが 何よりも寂しい
境界線を消し去ることなど 望んでも許されない
私がすべてに溶けるまで
君は 中有の隅で息を耐えているのだろうか
私はこの先も 君を探す旅を続けるだろう
確かめるまでもなく
この道のすべてが君だとわかる その日まで
読んでいただき、ありがとうございます。 良ければまたいらしてください。