国が違えば、福祉も違う。~まとめに変えて~_ボストン福祉レポ Part.7
当たり前がくつがえる現場
今回、ボストンでの視察で得た気づきを一言にまとめれば、「国が違えば、福祉も違う」ということ。
制度的な違いはもちろん、社会の状況や福祉的支援のリソースによって、当事者の置かれる状況や支援現場の雰囲気は大きく変わります。
ホームレスもたくさん受け入れる滋賀県の救護施設で3年間働いてきて「どんな状況であっても、個別支援が基本」と学んだ身としては、2人部屋の施設にもどかしさも感じていた自分にとっては、1フロアに仕切りもなく100名以上が暮らしている、まるで「避難所」のようなシェルターの様子は驚きでした。
それは、ホームレスが街に溢れかえっている国ではやむを得ない方法でしょうし、こう見えてもニューヨークやサンフランシスコに比べれば、大分ホームレスは少ない住みやすい街なのだという事実も背後にはあります。
そして、そんな状況で行われる様々な支援のスタイルには、国民性も強く影響しています。ボストンで障害のある子を支える親の会の皆さんのお話しは、それを強く印象付けてくれました。
「ホームレス支援」「障害者支援」とどれをとっても、全く違う世界観が広がっている。
変わっていく日本の中で
翻って考えれば、日本で福祉の仕事をしている我々も、社会の状況が変われば、価値観や支援のスタイルも変えていく必要があるかもしれない、ということです。
僕ら自身が、そのことを常に自覚している必要がありそうです。
現に人口減少はみるみるうちに進んでいき、移民がケアの現場を支えるようになる時代も遠くないはずです。「支え手は見つかるものだ」という前提で、縦割りのサービスを次から次へと生み出しながら福祉の予算を拡大してきたこれまでの方法は、変わらざるを得ないでしょう。
外国からやってきて、全く違うルーツや生活感覚を持っている同僚たちと働くうえでは、これまで通用してきたコミュニケーションや現場のマネジメントは行き詰まるかもしれません。
だからこそ、1人1人の現場を支える職員が、「今通用している支援の考え方や方法が唯一の正解では決してない」という前提に立ちながら、社会全体の動きに目を向け柔軟に自分自身や職場全体を更新し続けていくことが重要なのだろうと思います。
以上、ボストンからのレポートでした。詳報は2/10~12 アメニティーフォーラムにて!
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