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価値の可視化で経営者とワクワクする時間が大好きです。

企業や個人事業主の方がウェブサイトや会社案内を作ろうとなるときは、集客や採用などの課題を抱えていることがほとんどです。もちろん、経営状況が良いから「さらに良くしたい」というケースもありますが、これまでの経験上、後者は稀なケースです。

そんな課題を抱えているときに、外部へアピールするモノを作ろうとするわけですから、自社や自社の商品の“価値”を見直すことになるわけですが、このアピールする価値について、あまり深く考えられていないケースが多いことに驚きます。

○何をアピールすれば良いか、わからない
○安売りで勝負するしかない、何か特典をつけて差別化しよう
○かっこいいウェブサイトにすれば、集客できるでしょう

極端かもしれませんが、このように考えている方が非常に多いのが現実ですし、そう考えたくなる気持ちもわかります。しかし、この3つを放置もしくは短期的に繰り返す行為は、本質的な課題解決とは言えないと思いませんか? 瞬間的に売上が上がるかもしれませんが、それは根本的に課題を解決したとは言えません。

●アピールポイントがわからないから、耳障りのいい言葉と写真が並ぶだけ
●安売り・特典でしか集客できず、年がら年中キャンペーンをしている
●パット見は良くなり集客もできたけど、リピートしない

これは言い尽くされた事実ですが、今の時代はほとんどの市場に優れた商品があり、機能や見た目だけで商品を比較することが難しい状態にあります。そこそこ優れた商品が、見合った価格で売られていて、どれもまぁ満足がいく商品で溢れています。

例えば、Amazonで「電気ケトルを選ぼう」と検索すると、聞いたこともないメーカー名の商品も出てきますが、それが意外と見た目もよく低価格でレビューも高評価だったりして、有名メーカーの商品と同じ土俵に上がり、消費者は迷い始めます。(レビューの精度は置いといて)

しかし、どうでしょうか。上記のような状況に遭遇したとして、皆さんはどちらの商品を選ぶでしょうか。無名だけど高評価で見た目も価格もそこそこのA、有名メーカーで価格はAよりも高いが安心感のあるB。価格差にもよりますが、やはり選びたくなるのはBですよね。これがブランド力です。ブランド力のあるメーカーと勝負するとなれば、やはりブランド力で対抗するしかありません。もちろん、そこに「安さ」という武器を持ち込むこともあるかもしれませんが、かなりの差をつけなれば勝機はありません。「安い」というブランド力を浸透させるなら、それ相応の企業努力が必要になるはずです。(1000円カットなどは、その好例かもしれません)

だからこそ、対抗するブランドにない、真似できない、自社らしさに加えて、消費者に響く(共感してもらえる)独自性のある価値とは何か? ここを突き詰めることが必要です。ものすごい長い年月をかけて醸成されてきた老舗のブランド力に対して、開業数年の新米が同じブランド力を持とうなんてムリな話ですよね。

では、どんな価値ならブランド力においても競合せずに戦えるのか。どのポジションで戦うべきなのか。実は、その答えは、企業の中に既にあるケースが多いと私は考えています。実際、経営者と話をしていると、「なぜそこを宣伝してこなかったのか?」と思うような事実が出てくることが、よくあります。そしてそれは、大抵が経営者や会社が心の奥底に持っている「想い…思想」です。

・言葉になっていない
・見える形になっていない
・言い換えられていない

表出できていない理由は様々ですが、そこに独自性があり、伝え方を間違えなければ、それはひとつのブランド力になるものです。

その思いがあるから、企業が生まれ、商品が生まれ、人が集まってくる。言葉にはできていなくても、リピートしている顧客はその「思い」を汲み取ってくれているので、顧客に「なぜ選び続けるのか?」と尋ねることでも、その企業の価値を表出できる場合があります

経営者からのヒアリングを進めていくと、こんな会話になっていきます。

「だから・・こんな商品なんですね」
「だから・・この場所なんですね」
「だから・・こういうメンバーなんですね」
「だから・・こういうビジョンがあるんですね」

実際に「やっていること」の根源に「思い」がある
ということは、すべての結果や過程を「想い」と「だから」で結びつけることができるのです。

で、長くなりましたが、何が言いたいかと申しますと、「課題解決」だとか「ブランディング」だとか言いますけれども、この「価値を可視化する過程」が私は大好きだということです(笑)。すみません。なんか、締りが悪いですよね。。。

でもこれが本当で、価値の可視化と整理をしていくと、「やっぱり、私の会社はいい会社だよね〜」とか「ここはもう足りないかもしれないね。でも補えるよね」といった感じで、経営者の皆さんの表情が明るくなっていくんです。そして、何より気持ちが前向きになっていって、互いにワクワクしてくるんです。

もちろん、「売れる・認知される・人が集まる」といった成果に結びつけることが目的であることは忘れてはいけませんが、なんだか負のスパイラルに陥っているな・・・と感じている方は、一度原点に立ち返って、「なぜ、そのビジネスを自分はしているのか」思い出してみてはいかがでしょうか。

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