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【#2】終わり始まりのハザマ

前回 1話 歩こうかな、と

これはボクがスマホを手放して、広島から実家のある長野まで徒歩で目指した実話。
たった10日間の出来事とは思えないほど、多くを学び、成長できた最高の旅だった。

2020.5.30

約1年3ヶ月におよぶ広島生活も、終わりを迎えた。

明日は、家をキレイに掃除して、解約。
また、実家に帰る旅の初日でもある。
「オワリはじまり」の日、だ。

昨日をもって、広島生活の間お世話になった職場での仕事も終わり、諸々関係者に挨拶も済ませたので、今日はボクの好きな場所で、のんびりと気ままに過ごすことにした。

5:07に起き、1日が始まった。
この頃、早寝早起きの習慣が身に付いているためか、外が明るくなったら自然と目が覚める。目覚まし時計に起こされないこの習慣に、凄く豊かさを感じる。
今日は太陽がまだ顔を出していなかったので、窓を開け、山に隠れる太陽が少しずつ昇る様をカメラに収めることにした。

日の出を見ると「今日も始まったな、」という気持ちが湧き、同時に「今日も良い日になるな。」と思わせてくれる。

広島生活で最後に行くところは、ボクにとっての「第二の故郷」である宮島だ。
なぜ宮島が第二の故郷なのか、についての詳細は割愛させていただくが、あえて言うなら「1年半暮らした海の街、」だから。内陸県の長野で18年間育ったボクが、初めて住んだ海の街、だから。

シャワーを浴び、支度をし、6時過ぎには出発。広島電鉄の1dayパスを購入し、左側の車窓が見れる席に座る。宮島に近づくと、電車が海沿いを走る。電車進行方向の左側に海が見えるため、いつもこの席を選ぶ。
土曜日の早朝のためか乗客も少なく、70分の長い道のりも、あっという間に感じるほどに心地良かった。

電車を降り、宮島口の桟橋へ向かうと、新しい建物が建っていた。次に宮島を訪れるのはいつになるのかわからないが、その頃にはこの工事中の桟橋が完成していることだろう。と未来に楽しみを残しておいて、船に乗り込む。

朝の海はとても気持ちがいい。
3階の展望デッキで、10分間の道のりを楽しんだ。

宮島に着き、すぐに商店街を散策した。
朝早いため、シャッター街と化しているのはいつもの光景。
だが、そのしまっているシャッターのほとんどに、「休業しています。」の文字が書いてある張り紙が張られていた。

やはり、コロナの影響がかなりあるようだ。

ニュースを見て知ってはいたものの、いざ目の当たりにしてみると、少し悲しい気持ちになった。

特にすることもなかったので、散歩をしてからスタバに入った。
ここのスタバは、ボクが宮島に住んでいた時の最後の日にオープンした店だ。オープンの初日にコーヒーを買い、島を後にしたのを覚えている。

スタバで、今日の日程を考えてみることに。
夜は、宮島で一緒に働いていた、ボクがおじいちゃんと慕っていた人と会うことになっていたので、それまでの時間をどう過ごすか。
いくら考えても、散歩と読書しか思い浮かばなかった。

日程を計画するほどのものではなかったので、
ただただのんびりと。散歩を挟んで、カフェを三軒もはしごしていた。

約束の時間に近づいたので、宮島をあとにし、待ち合わせ場所のパチンコ屋へ。4月から禁煙になっていたため、パチ屋に入るのに抵抗はない。

合流し、いつもの焼き肉屋へ。
宮島で働いている頃、休みが被る度にご馳走になっていた。
このパチ屋から焼き肉屋へ行く一連の流れが懐かしい。

おじいちゃんは、普段お酒を飲まないのだが、冠婚葬祭の時と、ボクと焼き肉に来た時にだけは、ビールを飲む。ちょっと嬉しい特別な時間。

会うのは1年振りくらいなので、お互い積もる話も多く、良い時間を過ごすことができた。

また、広島に来た際には絶対に連絡して、会いに来たいとおもう。

最後に、ガッチリと握手を交わして別れた。


広島生活最後の日は、最高な一日となった。
一日を通して、「明日から旅をする。」ってことはなんとなく意識はしていたのだが、旅の前日を全く感じさせない。そんな1日だった。


本当に明日から旅が始まるんだよな、?

次回 3話 始まったのか、?

Camino de Nagano マガジン


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