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若者の「職業」と「住む場所」を縛り付ける制度を次々と作っても、その地方は衰退するだけだろ、という話。

宮崎県内で働く教員を確保するため、宮崎大学は、来年度から県内で小学校教員を目指す人を対象にした総合型選抜の希望枠を新たに設けると発表したそうです。

https://www.the-miyanichi.co.jp/kennai/_71906.html

宮崎大学は、医師不足の解消と称して医学部でも地域枠というものを設けています。

宮崎大学医学部の医学部は地域枠でない一般の入試でも、多様な人材の獲得を目指すというような趣旨で30年くらい前から2次試験は小論文だけで入試を行っていたりしたわけです。今はどうなってるかは知りませんが。

その結果、多様性のある優れた医師をたくさん排出できたのか、ということについてはよくわからない状況ですし、むしろセンター試験でスマッシュヒットで良い点が取れただけの文化系人材が一発逆転で突っ込んでいたりしたようで、あまりいい制度ではないし、特別良い医師が多く排出されたとはほとんど評価されてない、と個人的には思います。

先日、ジェンダーギャップの解消のため宮崎大学工学部が入学選抜に女子枠を設置。腹の底から「ばかじゃねーの?」と声が出た件 という記事も書いたのですが、田舎大学ということもあってか、全国の大学と比べられる偏差値的な序列から小手先の制度で逃げ回っているような感じさえします。

医学部や教育学部の地域枠にしても、工学部の女子枠にしても、それで真正面からの競争を避けた若者を地域に縛り付けたとして、その人材が本当に有能で、それが地域の成長に結びつくのかな、ということについては非常に疑問に思います。

そもそも「心豊かな人材」とか「多様な人材」とかって、ちゃんとした試験ではない、田舎の教授が面接や論文で判断できるんですかね。大学の運営側の自己満足で終わってる感じがしますが。

むしろ、「田舎だからそういうことをせざるを得ない」というようなイメージが内外に定着して、今後の地域の改善を阻害しさらなる衰退の要因にさえなりうるものではないかと思います。

最近は、地域おこし協力隊などでも、派遣された方々と地域人材とのトラブルなども顕在化しやすくなっている中で、そういう若者の職業と居住地を縛り付ける制度を田舎の側の論理で次々とできてくることには疑問を感じますね。


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