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米国は本当に石油高で苦しいのか、ちょっと怪しい

物価が上がらないことが当たり前だった日本で、インフレが選挙戦の争点になるほど注目されるなんて、時代は変わるものです。

インフレの原因は、円安や石油高だと指摘されています。円安の日本よりも、ドル高の米国のほうが酷いインフレに直面しているので、おそらく円安は高インフレの理由ではないのでしょう。日本銀行の黒田総裁も、似たようなことを言っています。

「現在の物価上昇は基本的に国際的な資源価格の上昇によるもので、一種のコストプッシュ型インフレであり、日本の交易条件が悪化し所得が海外に流出するというかたちで起こっている」

前掲記事より引用

原油の国際価格が上昇しても生産コストは変わらないので、値上がり分が産油国の所得増加になります。原油の輸入国から、産油国に所得が移転しているわけです。

産油国といえば、中東やロシアを思い浮かべますが、ここ数年で台頭してきた石油大国があります。米国です

いわゆるシェール革命で世界有数の石油輸出国に変貌した米国は、昨今の石油価格の急騰によって、所得が海外から流入しています。ニュースや新聞では、米国はガソリン高で大変だ、大変だと騒いでますが、その裏で米国のエネルギー産業はガッツリと儲けているのです。

ガソリンの値上がり分が海外に流出する日本と、ガソリンの値上がり以上に国内に所得が還流する米国。日米のインフレ格差は案外、そんなところに起因しているのかもしれません。


お読みいただき有難うございました。 小難しい経済ニュースをより身近に感じて頂けるよう、これからも投稿してまいります。