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消費増税の報道に既視感

消費増税から1ヵ月。「個人消費はそれほど落ち込まなかった」という記事が掲載されました。なかなかの既視感です。上が今回の増税1ヵ月後、下は前回の増税1ヵ月後の記事です。

前回の増税直後、14年4-6月期の個人消費は、年率で17.7%も減少しました。直前の1-3月期は駆け込み需要の発生で個人消費が同8.1%増加していたのですが、4-6月期は駆け込み需要の反動以上に消費が落ち込んだ格好です。

政府は、前回14年4月の増税に備えて、5.5兆円の経済対策でGDPを1%押し上げるとしていました。しかし残念ながら、景気は14年度の上半期にかけて失速しました。

いや!今回は軽減税率が導入されたから、キャッシュレス決済のポイント還元も導入されたから、さらに幼児教育が無償化されたから「前回とは違う」と考えてしまう経営者や記者の心情は理解できます。多くのエコノミストの認識も似たようなものです。ちなみに前回増税直後のエコノミストの経済見通しはこんな感じでした。大外れです。私を含めて。

要するに、消費増税の前後1ヵ月のデータだけでは、駆け込み需要とその反動減の大きさも、政府の経済対策の効果も、さらには消費増税が国内景気に及ぼした影響も、確かなことは全然言えませんよ、ということです。

お読みいただき有難うございました。 小難しい経済ニュースをより身近に感じて頂けるよう、これからも投稿してまいります。