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我々はいまインフレへの「適者生存」を迫られている

相変わらずガソリンが高いですね。いつになったら値下がりするのでしょうか。国際原油相場は、今後もずっと高値で推移するのではないか?という記事が、4/25の日経に掲載されています。

1カ月先、1年先といった様々な限月の価格をつないで描く先物曲線は、市場参加者の平均的な相場の見方を反映するとされる。曲線の形やその変化は相場の転換のサインとしても注目される。足元の現物の需給逼迫感が強く、現物に近い価格ほど相対的に高くなる右肩下がりの曲線が「バックワーデーション(逆ざや)」だ。現在はこの逆ざやの形状になっているが、この1年間で5年、10年先などの期先の価格もじりじりと上がっている。

 記事を読む限り、「バックワーデーション」という先物曲線の形状が、原油の高値長期化を映しているわけではなさそうです。単に、原油の期先物の上昇が、原油の高値長期化を反映している、という解釈のようです。

 実は半年前、期先物の上昇が原油需給の緩和を招くのではないか、という記事が出ていました。当時の先物曲線は、現在と同じく「バックワーデーション」でした。

WTIの期近物が80ドルまで上昇した影響で、期先の価格も押し上げられ、23年12月物は約65ドルと今年8月末から6ドル近く上昇しバックワーデーションの効果は薄れた。「今後はシェール生産が回復する可能性は高い」(ゴールドマン・サックス証券の真壁寿幸・市場商品営業部長)

シェール生産が本格化した過去10年では、油価が高騰するとシェール企業の増産で相場が崩れた。中東産油国やロシアが煮え湯を飲まされた悪夢が再びよぎる。

 それから半年、原油相場は一段と上昇しました。相場って難しい。

 冒頭の引用で強調したように、先物曲線は現時点の「市場参加者の平均的な相場の見方」を反映したに過ぎません。将来には、現在とは別の「平均的な相場の見方」が出現しています。

 原油相場に限りません。金利や為替、そしてインフレ率も、半年や1年もすれば、平均的な相場観はしれっと別の水準にシフトしているでしょう。ダーウィンではありませんが、原油高やインフレという「環境に適応した種のみが生き残る」のです。

プロで生き残るのは強い者ではなく、適者生存に適応できる者だというのが僕の持論です。

日経新聞だってそうじゃないですか。紙だけじゃなく電子版に力を入れている理由はそこでしょう。

お読みいただき有難うございました。 小難しい経済ニュースをより身近に感じて頂けるよう、これからも投稿してまいります。