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私がUターン就活を決心したわけ

(追記2023年7月):就活話をシリーズで書こうとしていたものの完走しそこねて4年ほど経ってしまった。が、なぜUターンを選んだか、という話はやはり公開で残しておきたい気がする。そんな訳で数年前の書き散らしを以下に残します。
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「なんでわざわざ地方で就活?」ということについて。会う人会う人に尋ねられて「やっぱり地元がよくて!」くらいの雑な答え方をしていたが、実はそれなりにいろいろ理由はあった。まずはそのへんについて書いてみようと思う。

① 正直、東京が肌に合わなかった

最初に持ってきてしまうのもなんなのだけど…私にとっては大きな理由。大学進学を期に上京して、(途中で数年グレてたので)今年で7年目。

たくさんの人と出会い、たくさんの友人に恵まれた。新宿や吉祥寺や上野、テレビの中の世界だった場所が身近な存在になった。ずっと地元で生活していたらできなかったであろう挑戦や経験もできた。東京って本当になんでもあるんだなぁと何度も驚いた。

しかし一方で、地元にいた時では考えられないほど、心も体も調子を崩しやすくなった。高校卒業まで両親の保護下でかなり甘やかされていたので、そこから一気に環境が変わったという要因もあると思うけれど。

何がそんなに辛いの?と聞かれると、完璧に言葉にはできない部分もあるが、例えば、人の多さ、知らない人同士の無関心さ、街の無機質な感じ、物に溢れすぎているところ…そういった、おそらく多くの人にとっては大した問題でもない、ちょっとしたことの積み重ね。

初めの頃は、そのうち慣れる、大丈夫、と考えたり、これくらいは耐えて強くならなきゃ、と言い聞かせたりしていた。しかし何年経っても辛いものは辛く、この先ずっとこの生活は厳しいなぁ、と感じるように。

そして地元に帰省したり地方に住み込みのアルバイトに行ったりすると、東京に比べて何もないはずなのに、日常生活の中で幸せだなぁと思えることはむしろ多く、自分にはやはり地方が合っていると確信した。

たぶん私に必要なのは、流行や最先端のものではなくて、広々とした空や、森の緑や、すれ違う時におしゃべりしちゃうような町の人たちで。東京はなんでもあるけれど、そういった私に必要なものだけがどうやら足りないみたいだ。

東京を悪く言うつもりはない。本当にいい経験をたくさんさせてもらったし、東京住みの7年があったからこそ、自分に必要なものがちゃんとわかるようになった。

② より必要とされるところで働きたい

東京への人口の一極集中は、もう20年以上に渡って続いているそうだ。東京で生活しているとそれを肌で感じる。もう街が人の多さに耐えきれていないかのような。

同時に、地方は大丈夫なのだろうか、自分の大好きな故郷はどうなっていってしまうのだろうと、不安も感じるようになった。私ひとりが帰ったところで、大河の中の一滴のようなもの。それでも、もし私がUターン就職のいいロールモデルになれれば、今後そういう若者を増やせるかもしれない。そんな風に考え始めた。

ちょっと立派な感じに書いたが、もっと打算的な理由もある。

私は自分に全然自信がない。人より秀でたものなんてないし、むしろ大学7年生というかなり強めのマイナスを背負っている。

きっと東京で就活したら無限にいる学生に埋もれてしまう、もっと自信を失ってしまう。それなら逆に貴重だと思ってもらえるだろう田舎で就活したい、そう考えた。

経験上、褒められたり頼られたり「あなたが必要だ」と言ってもらえる環境にあってこそ、自分が一番のびのびと全力を発揮できるだろうな、とも思った。

③ やっぱり北海道が好き

地方からの上京者には往々にしてあることだが、地元を離れて改めてその良さを実感したりする。

久しぶりに帰ると、あれ、スーパーの普通の野菜がすごい美味しい…とか。こんなに空広かったっけ?とか。帰省の度にやっぱり北海道はいいなぁ、と感じる。

そして東京に発つ時になると、毎回なんだか寂しく、胸が締めつけられる思いがして。自分がこんなに地元愛が強かったなんて、初めて知った。

また、北海道というのはある種のブランドのようになっている側面もあるのか、北海道出身ですと言うと、いいねぇと言ってもらえることがとても多い。より一層地元を誇らしく思えるようになった。

本州にも、好きな町はいくつかある。住み込みアルバイトをしていた静岡の西伊豆町も第二の故郷と言えるくらい大好きだ。しかし、やはり自分が育ってきた北海道に関わりたいし、北海道の魅力をもっと知ってもらうことに寄与したい、そんな気持ちが強かったため、これはUターン就職一本かな…?と思いはじめた。

まとめ 自分の幸せに必要なことは何なのか

Uターン就職一本で就活していると「東京で就活しないの!?」といろんな人に驚かれた。たしかに東京にいれば、有名な大企業や、海外展開をしているような企業もたくさん受けられる。地方より都会の方が幅広い選択肢やチャンスがあるのが現状だ。だから多くの地方出身学生が東京に残るし、就職を機に上京する人もいる。

しかし、人の倍近い期間の大学生活を過ごし、自分の脆さや足りない部分と多く向き合う中で、自分自身の幸せに必要なことは、また別にあるのだとわかった。

東京ほど最先端なことやスケールの大きなことには関わらないかもしれないけれど。土の匂いのする、人情味でいっぱいの土地で、しっかりじっくり根っこを張って生きていく。そんな生き方が自分の理想なんだなと気づいた。そして私は、Uターンに絞って就活することに決めた。

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