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【中編】ジェフ千葉2023年の総括

最終戦となった東京ヴェルディとのプレーオフ準決勝を振り返りながらジェフの2023年をダラダラと総括していきます。
前編はこちらとなります。

練習開始時刻になり、選手が入場してきた。

選手入場にサポーターもテンションが上がる

まずは鈴木涼大選手から。
ユン体制では控えGKが続いたため、あまり印象に残らなかったが、今年は本領発揮の一年だった。
試合前のゴール裏の煽りやボールボーイへの声掛けなどサポーターが楽しめる要素が多い珍しい選手。
そんな涼大選手には今年、自身のチャントが作られた。
独特のゆっくりしたテンポに合わせ、サポーターは手拍子を交えて歌う。
フクアリで原曲BGMに合わせて歌うときはサポーターが少し早まってしまうこともある。それもまた良い。

そのあとに裏でストレッチなどウォーミングアップを終えた選手たちが鈴木大輔キャプテンの合図とともに場内に入る。

サポーターからの「Win By All」の掛け声のもと、一人一人がゴール裏へ挨拶にきてくれた。
今年のチームは充実しているといった感じが選手の表情から見て取れた。

髙橋壱晟選手が出てきた。
彼は今年背番号2が与えられ、大きく飛躍した選手の一人だ。
ジェフサポから愛される彼はこれまでボランチで試合に使われてきたが、なかなかレギュラーに定着できずにいた。
それが今年は右サイドバックという新たなポジションで才能を開花させた。
奇しくも過去に背番号2を背負った中西英輔、坂本コーチと同じポジションだ。(あ、ジェイソン・カトー・ゲリアも右サイドバックだ。)
彼は姿勢がとても良い。
ボール持ったときもオフザボールで走っているときもフォームが綺麗だ。
また、放たれるボールの弾道も優しく、絹の糸のようになめらかで美しい。

試合前の練習はまずボールを使わないトレーニングから始まり、そのあとにボールを使ったものに移っていった。
監督が変わるごとにトレーニング方法が大きく変わる。
ある監督はずっとロングボールのパスをやっていた。
慶行監督は先発メンバー+数名で鳥かごをやった後にオフェンスメンバーはパス繋ぎからのシュート、クロスからのシュート練習をおこなう。
私はこのオフェンス練習が好きだ。
選手によってボールのタッチの仕方、シュートフォーム、弾道が異なる。
それが面白い。
この練習で選手のコンディションが分かる気がするからじっくり見る。
今回はどの選手も異常なくらいシュートが決まっていた。
これまでの練習の成果なのか、この試合に賭ける思いなのか。
驚くほどに決まるシュートに期待が高まる一方で、「練習で上手く決まるときは試合では案外決まらないんだよな」という余計な考えも浮かぶ。
そんなことを考えながらピッチの選手たちを眺めていた。

ヴェルディサポのコレオも綺麗だった

選手が練習を終え、ピッチから戻り始めた。
日高大選手は必ずピッチを出るとき、ピッチに向かって一礼する。
その姿が凛としていてカッコいい。
日高選手は下部のカテゴリーから上がってきた選手。
(日高選手がどう思っているかは分からないが)ジェフをきっかけに更に上位チームを目指すような野心を持った選手が来ることはジェフにとって珍しいように感じる。
ただ、私はそれが健全な組織の姿だと思うし、そういったチームが強くなるはず(べき)だと思うので、良いことだと思う。
日高選手だけでなく、小森選手、田中和樹選手も含めてジェフで活躍して羽ばたいてほしいと思う。
もちろんジェフのJ1昇格を置き土産にしてほしいのだが。

選手入場が近づいてきた。
Jリーグでは選手入場前にフェアプレーフラッグが運びこまれる。
毎回フラッグとともに流れるあの曲を聴くと泣きそうになるから不思議だ。
2023年はコロナ禍が明け、声出しも全面解禁になった。
サポーターも開放的になったのだろうか、各所で問題が散見された。
その最たるは天皇杯出場権剥奪だろうか。
そういった問題を阻止すべく毎試合掲示されるフェアプレーフラッグ。
その価値を大切にしたい、といつも思う。
これだけエンタメが多様化し、人口が減っていくなかでJリーグが大前提としなければならないのは世界で最も平和なリーグになること。
それができなければJリーグは生き残れない。
選手、サポーター、クラブ、そしてJリーグが胸を張って正々堂々とフェアプレーをする。
後ろ指をさされるような軽率なことをしてはいけない。
そんなことを今年一年を通して強く感じた。

入場前の撮影のようす

選手が入場し、サポーターのボルテージが一気に上がった。
私も声を張り上げ、明日喉が枯れていても良いと思った。
これも普段は絶対に思わないこと。
スタジアムは特別だ。

遂にキックオフ。試合が始まった。

後編に続きます。読んでいただけると幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。


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