日々のこと 0626
昨日は、渋さ知らズオーケストラのライブに行った。
渋さ知らズというビッグバンドのバンマス、ダンドリストの不破さんに初めて会ったのは、私がまだ18とか19歳の頃。不破さんは、フェダインという日本最狂ジャズトリオのベーシストだった。
フェダインは私がバイトしていた店でよく演奏をしていた。匂い立つ色気のかたまりみたいな危険な人で、小娘だった私は会うたびにクラクラした。
不破さんはとにかくヤバい人だった。怖かった。そして、とにかくカッコ良かった。強烈に甘い匂いの煙草を手放さないヘビースモーカーだった。10代だった私は世の中にそんな煙草があること、それがガラムという名前であることを初めて知った。紫煙てものがこんなに似合う人はいないんじゃないかと、今でも思う。
昨日の渋さのライブでは「禁煙」と入り口に大きく貼り出してあったのに、演奏が始まった瞬間、ガラムの匂いが立ち込めて「え?」と思った。ステージに上がったばかりの不破さんが煙草に火をつけていた。
ハコ中に広がるガラムの香りを嗅いだ瞬間、あの頃の自分や、あの頃の不破さんや、あの頃のいろんな人たちが一度に目の前に現れたような気持ちになった。
終演後、不破さんがハグしてくれたまでは良かったが、変な態勢で受けたせいか、私は左のあばら付近を痛めたっぽい。今日一日ずっと痛かった。
私、もうオバちゃんなんで。不破さんも完全にオジさんの風貌になった。
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今日は『SUNNY 強い気持ち・強い愛』という映画を試写で見てきた。
リメイク元の韓国映画『サニー』は、人生ベスト10に入るくらい大好きな映画。あんな傑作をリメイクだなんて。しかも私は大根監督のファン。「平常心、平常心、何も期待しない、ガッカリもしない」と言い聞かせながら見た。
サニーというのは、専業主婦の女性が高校時代の仲間たちを探すストーリーで、今回の大根版は舞台を90年代の日本に置き換えている。それぞれの日々を送る大人の女性たちが、コギャル青春時代を振り返っていく話なんである。
公開まで映画の感想はやめておくけど、まーなんせ大根監督。安室ちゃん、オザケン、久保田利伸、PUFFYなどなどの曲がふんだんに使われ、90年代小道具への気配りも半端ない。私だって、ヒスグラのビニール袋で学校行ってたに決まってるわけで。
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ガラムの匂いが私をタイムスリップさせ、その余韻が抜けないところに、『SUNNY』が私を無敵だった女子高生時代に連れていった。
環境は次々に変わっていくなーと思う。周りにいた人も場所も、あれからだいぶ変わった。
でも、たとえ昔の私を知る人がいなくても、私は今ここに突然現れたわけじゃない。変わったけど、何も変わってない。あの時代とか、あの時代とか、あの時代とかの私が、全員ずーっと積み重なって、今は、ここにいるよ。
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