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若者が地域愛着を育むための居場所とファッションカルチャーの必要性

怒涛の7月~8月が終わり、ほっと一息。
ほぼ毎週末どこかに地域出店をさせていただきました。
ご縁をいただいた方々に改めて感謝いたします。

さて、7月~8月にかけて、

福岡県飯塚市
新潟県三条市
長崎県島原市
大分県日田市
大分県竹田市
長崎県壱岐市

 へ地域出店をさせて頂きました。

 地域によっては数か月前から事前授業やうち合わせを同時進行で行っていたので、あれ?これはどこの資料だっけ?、告知っていつからだっけ?
とパニックになる場面もありましたね、、

事前に企業や事業の説明

TANEMAKIをサポートしてくれる先野さん、古賀くんの大学生コンビに助けられながら毎週進捗ができたことが本当に救いです。

TANEMAKIの右大臣、左大臣

今回も各地域でそれぞれドラマがあり、素敵な景色が広がっていました。

やっと一息入れれたので、総括してこの夏に事業を通して感じたこと、気づきを少しまとめていきたいと思います。

①ローカルにファッションは必要なのか?

今回、各地で地元高校生と共に事前授業や働く中でコミュニケーションを取り感じたこと。

TANEMAKIの事業は、
「アパレル体験を通して地域愛着をもってもらう」
「ファッションを楽しむことで生活を豊かにし、見える世界を変える」

という想いで事業をおこなっています。
今回、高校生と話している中でこんな会話が出ました。


販売商品の選定中


生徒「洋服屋があったらみんな喜ぶと思う!」

僕「そうなんだ、洋服を着てどこに遊びに行くの?」

生徒「うーん着ていくところは無いかな・・・」

 
僕「このファッション今流行ってるから売れるんじゃないかな?」

生徒「かわいいけど、目立って恥ずかしいから地元では着れないな・・」

 
ファッションを楽しみたいという気持ちはあるけど、着ていく場所がない。

着ていく場所がないから洋服を買う理由がなくなってしまう。

理由がないのでファッションを楽しみたい気持ちも無くなってしまう。

需要が無くなり、儲からないので、洋服屋が出店されない。

 
僕は、「ファッション」は自分の「主張」をアウトプットする方法であり、
自己表現の一つだと僕は捉え居ています。

単純に、「ここ」に行くからこの服を着ていきたい。
であったり、
女子は「その服可愛いね!」って言ってもらえたら嬉しい。
男子はモテたいからオシャレをがんばる。
という「初期衝動」がファッションの動機だと思っているので、

 この会話の中で、「ファッションを楽しむことで生活を豊かにしたい」というTANEMAKIの事業をするにあたり、

その前に、ファッションを楽しむ動機となる「場」を日常風景として作らなければいけない。という新たな課題が浮き彫りになりました。

ゲームセンターや映画館、ボーリング場などのエンタメ施設があれば変わってくるのかもしれませんが、
もっと単純にカフェ付きのフリースペースや公園でもよいかもしれません。

ポイントとしては「誰のためにある場所」なのか?ここでどんな「良いコト」があるのか?
 を明確に提示できる場所であることが大事。

観光地になると、施設や公園がどうしても観光スポット(外から来た人向けの場所)として提案されてしまう。

そうすると若者は「自分たちの場所ではない」と解釈してしまうのではないか?

遊べる場所があるから、おしゃれをしたい。
おしゃれがしたいから洋服屋にいく。

そんなことを現地で感じとることができました。

②若者に向けたローカルDXは可能なのか?


最近、高校生での講義で歯に衣着せぬ言い方をしてしまっています。
「ぶっちゃけ自分たちのまちクソつまんないやろ?」って。

言った後の先生方の目がものすごく気になりますが、、この僕の問いかけは意味があり、
①全然知らない外の人に失礼な事を言われて、「そんなことないですよ」って言葉はでてくるのか?

②「つまらない」という言葉に共感するのか?別の解釈があるのか?

 各場所でそんな失礼な事を言い続けてしまい、ちょっと反省をしています。

それぞれの地域で①はなかったし、②も思っていたリアクションではなかった。

何となくですが、「つまらない」も通り越して、もはや「興味が無い」のではないか。。

 僕も大分の田舎育ちなので、学生時代は、地元つまらないな~、福岡はいいな~なんて思いながら、
都会に憧れを抱きながら暮らしていました。

もちろん家でTVゲームをしたりすることもありましたが、何もない街で友達と何か楽しい遊びを考えたり、

大人と出会って新しく、刺激的なことも沢山あったなと思いだすことができます。

 つまらない街で自分たちなりに「楽しむ」ことを模索し、「何か」を創ろうとしていた気がします。

今回、学生たちと話す中で気づいたこと、「興味がないのではないか?」という部分、
きっと外に出なくても、スマホさえあれば、家にいながら情報を得ることも、エンタメも、誰かと繋がることもできてしまうので、わざわざ外に出なくても欲求が満たされてしまうのではないか?

 そうなってくると、自分が住む地域に興味関心は無くなり、良くも悪くも「地域」を飛び越えて「自分」という存在を主張できるようになる。

結果として、「地域愛着」が育まれないまま県外に進学・就職で飛び出していく。
その先にUターンの可能性はあるのかというと、かなり希薄なのではないかと。

 今回、各地で地域の空き店舗や公共施設などを利用させていただき、地元の若者が地域の施設や住民とコミュニケーションをとる機会が生まれました。

洋服の接客を通して年齢の壁を超えたコミュニケーションをしてみる


レジ接客で「ありがとう」を伝える
地元メディアのインタビューに応える


竹田市では先日TV放送がされました


きっと「刺激的」な体験だと思うし、地元での「思い出」になる時間だっただろうな。

そう、ローカル事業の競合(ライバル)はスマホである。

いかに、僕らがつくる場所が、スマホよりも面白いか。

さらに考えなければいけないのが、この「場」をより楽しむためのツールとして「スマホ」が活用されていくことが大事。

オフラインで体験や経験をすることは大事だと思うが、その先に繋がってくことを思うと、「スマホ」は必須。

逆にスマホを変にライバル視して、あえて使わない「体験」や「経験」を続けていくことは、若い子に絶対に飽きられていく。

家を飛び出して、地域でスマホやネットを使いながら、「足元は地元にある。頭の半分は地元、もう半分は外の世界にある」っていうのが可視化できたらいいなと思います。

 若者にとってDXを活用し、より豊かに生活をしていくという方法ってなんだろうなーと考えながら、
いくつかアイデアが浮かんだので、地域の方に相談をしてみると、意外とリアクションは良かったので、なにか仕事にできたらいいなぁと思っています。

ただ、アパレルとはあんまり関係のないコトなので、どうしようか考え中。

今回、九州を中心にいろんな高校生と話してきましたが、みんな福岡市には今の時代も憧れを持っている。

行ってみたい、住んでみたいと思っている。

あと、やっぱりまだまだ韓国への熱量もすごい。

もしも、地元にいながら、福岡の大人や同年代の高校生とリアルタイムでつながってコミュニケーションが取れる施設があったら。

韓国の学生や留学生と繋がり、韓国の流行や韓国語を学べる場があったら。

地域のカフェの壁一面が大きなスクリーンになっていて、タイムラグ無し中継で向こう側(福岡や東京・韓国)と友達をつくることができたら。

 きっと地域に住みながら新しい出会いや学びがあるのではないか?
そして新しいアクションが沸き起こってくるのではないかと思いました。

 これはあくまで妄想ですが、そんなスクリーン設備があるカフェで福岡市の高校生と壱岐市の高校生がそれぞれの地域に住みながら出会い、共通の趣味で友達になる。

福岡の高校生が壱岐市の高校生にリアルで会うために、壱岐市に遊びに行く。

いままでと全く違うのは、「どこ」に行くのか?ではなく、「この人に会うため」に行くという動機になるということ。

もしかしたら壱岐市の高校生はアテンドしてあげたいから、地元でいい場所を紹介するために、おいしいご飯やさんや、いい場所を探して回るかもしれない。

いままで知らなかった地域の良さを再発見できるかもしれない。

そんなことあったら素敵だよなーって思います。なかなか現実そう上手くはいかないでしょうが、、、
 

③「やらされごと」と「じぶんごと」

目の前の物事が「やらされてるのか」「自分がやりたいのか」で成果は大きく変わります。

自分がカッコいいと思うマネキンのコーデを考える
手書き看板を書いて入口に張り出す
今日の個人目標を紙に書いて名札に貼っておく

これは大人になって仕事をするうえでも大事ですし、今回のプロジェクトでも結果に大きく響いてきます。

告知不足で集客に苦戦した地域もあったし、なかなか自分たちから改善策が出てこないっていうこともありました。

今自分がやっていることは「なんなのか?」を理解しておくこと。
理想はそれを自分で考えて決めるということ。

しかし、自分でプロジェクトを決めて、責任をもって行動していくことは難易度が高いです。

 進めていく中で問題やトラブルもあり、気持ちが萎えてしまったり、このくらいでいいかって思ってしまったりもします。

それは今回携わった高校生だけではなく、プロジェクトを引っ張っていく大学生にも感じました。

営業後の反省会で明日の改善策を出し合う

ひとつは「仕事」としての意識もポイントです。もっとリアルな部分で行くと「お給料」という部分。

自分ごととして成果をだすとお給料がたくさんもらえるのであれば、自然と「自分ごと」になる。
しかし、本質は給料ではなく、「何のために?」ということ。

以前、僕が携わっている学校の部活動で、「たくさん成果出して儲けたお金でみんなでディズニーにいこうか?」ってぽろっと口にしたことがあり、

その瞬間、みんなの目の色が変わったことを思い出しました。

「目標を達成することで輝いた未来がまっている」というのはとてもシンプルです。
 お給料じゃなくても、スイッチを入れることはできます。
そのサポートをしていくのがTANEMAKIの仕事なので、そこはまだまだ実力不足であり、改善をしていかなければいけません。

「じぶんごと」になる瞬間は大きな気づきのタネです。
そしてそのタネに気づくには前提として「楽しんでいるか?」が重要。
まずは若者と接している僕たち大人が「じぶんごと」になり、その姿を見せてあげることが大切です。

そんな大人を見て、学生たちは「楽しそうだなぁ」「カッコいいなぁ」と思い、次第に「じぶんごと」になっていく。

このプロセスを事業プロダクトにしていかなきゃいけないんですが、なかなか難しいんだよなぁ。。。

④いくつになっても

今回、僕が嬉しかった場面と言葉を書いて終わりにしたいと思います。

夏の事業の締めくくりだったり、最後に訪れたということもあり、壱岐での4日間は印象深かったです。

あぁ、この風景を見るために僕は事業を行っているんだなと感じた写真。

ガラスにそれぞれの目標を書き始める生徒たち
このイベントの趣旨を書いて来場者に見てもらう

お客さんに「なんでこのイベント出店をやってるか知ってもらうことが一番大事だよね!」と伝えた直後に起こった風景です。

おいおい、まじかよ!っていう驚きと感動がありました。
予想をめちゃくちゃいい意味で裏切られた・・

コンセプトだけではなく、一人ひとりの目標を書いたりして「主張」を自発的に行っているこの風景。

SPINNSのコンセプト「ATTITUDE MAKES STYLE!!(主張がスタイル(生き方)をつくる!)」が可視化された気がしてとても嬉しかったです。

そして、書き終わった直後の生徒の写真。

最高ですね。。
こんな風景をこれからもたくさん見ていきたい!

 
出店翌日に大学生チームに混ぜてもらい、辰の島の美しい海にテンションが上がり、僕ははしゃぎまくっていたのですが、

帰りの車内にて、いつもTANEMAKIのサポートをしてくれている大学生の古賀くんが、

「いつもTANEMAKIの事業なんで、気をはって真面目にしなきゃって思っていたけど、ミヤポヨさん一番楽しそうにはしゃいでいたし、僕もはしゃぐことができました。今回めちゃくちゃ楽しかったです!」

と、ニヤニヤしながら話してくれました。

あまり意識はしていなかったんですが、素直に嬉しかった。

 どんなときも面白おかしく過ごしていたい。仕事も遊びも楽しくあるのが前提。
そして、うちの会社の理念の中にもある

「楽しいも、成長も、幸せも、まずは自分から。」

というスタンスで生きていたいと思っています。
いくつになっても、楽しいことを言葉や行動で表現できる大人でありたいですし、そんな姿を見てひとりでも多くの若者に影響を与えられたら幸せだなと思いました。









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