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キングダムで学ぶビジネスフレームワーク入門②|『3C分析』で考える飛信隊と顧客と競合

こんにちは、ビジネスに役立つマンガを紹介している経営コンサルタントのみやおです!

以前、ビジネスフレームワークの一つ「PEST分析」をキングダムで学ぶ、という記事を書きました。

今回は、その続きとして環境分析のフレームワーク「3C分析」をキングダムで説明したいと思います。

※以下、コミックス59巻時点の情報に基づいて分析を行っています。未読の方はこの機会にぜひ!

まずは前回から間が空いてしまったので、おさらいをしたいと思います。すでに前回をお読みの方は飛ばしてもらっても大丈夫です!

前回のおさらい

なぜキングダム?
ビジネスの理論は戦争時に考えられたものが多く、戦争がテーマのマンガと相性が良いからです。あとは単純に大好きなキングダムについて語りたかっただけです!

ビジネスフレームワークとは?
単にフレームワークともいいます。分析などを行う「枠組み」のことで、活用することで次のようなメリットがあります。

-思考や状況が整理される
-抜け、漏れ、だぶりが無くなる
-相手に伝わりやすくなる

環境分析とは?
自分たちを取り巻く状況を整理して分析することです。戦略を検討する前に状況を整理する目的で使います。

社会のような世の中全体を分析するマクロ環境分析と、自身にとって身近なものを分析するミクロ環境分析があります。

PEST分析とは?
マクロ環境分析の代表的なフレームワークで、次の4つの頭文字を取ったものです。

Politics:政治
Economy:経済
Society:社会
Technology:技術

キングダムを例にして秦国のPEST分析を行うと、下記のようになります。

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おさらいは以上です。

それでは本題の3C分析について説明したいと思います。

3C分析とは?

ミクロ環境分析の代表的なフレームワークで、次の3つの頭文字を取ったものとなります。

Customer:顧客
Competitor:競合
Company:自社

PEST分析でマクロな世の中の流れを掴んで、3C分析でミクロの身近な状況を整理する、とういうのが環境分析の基本となります。

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これをキングダムで考える、というのが今回の記事になります。飛信隊の隊長である信が天下の大将軍になるために3C分析を行っていきます。

それでは、顧客、競合、自社について分析していきたいと思います。

Customer:顧客

顧客のニーズは何か?ということを分析します。そのために顧客に対してアンケートなどの調査を行うこともあります。

飛信隊の場合「軍事力で他国を侵攻したり、自国民を守る」というサービスを提供しています。しかし、サービスの性質上、お金を払う人やサービスを受ける人が異なっており、そもそも顧客はだれなのか見えづらい、という問題があります。

このような場合、意思決定に関わる顧客の解像度を上げるためDMUというフレームワークで整理するのがオススメです。

DMUは、Decision Making Unitの略で、「意思決定単位」を意味します。購入の意思決定に関わる人を、使用する人やお金を出す人に分解して、分析の解像度を上げるものです。

これを具体的にキングダムにあてはめて、飛信隊の顧客のDMUを検討すると次のようになります。

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例えば、お金を出す秦の財務部門は、今後も戦争で出費も増えるのでなるべく安くて有能な武将を使いたいはずです。

また、発注する(=出軍の命令)軍総司令、昌平君は当然ながら成果を出せる武将を引き上げたいのですが、大軍を任せるため「裏切らない」という信頼感も重要になります。

最後に、サービスを受ける秦の国民についてですが、元野盗の将軍である桓騎のように残虐な手段を使うようであれば、不安が広がり統治に問題が出るので安心感も必要です。

という感じで、顧客の意思決定に関わる人たちのニーズを検討していくと、より解像度の高い分析が可能です。

DMUは決裁者と実務者が異なる法人営業にも役立つフレームワークでなので、ぜひ使ってみて下さい。

Competitor:競合

自分たちのライバルとなる競合他社について分析します。競合の商品やサービスを分析するために、実際にお店に行ってみたり、ネットで情報を調べたり、という形で調査を行うことが一般的です。

飛信隊の場合、天下の大将軍という目的に対してライバルとなるのは玉鳳隊や楽華隊です。これらの競合について調査を行って分析を行います。

競合調査の順序としては、①調査項目の選定②競合他社の選定③競合調査の実施、という形で進めます。

①調査項目の選定には、数字などで客観的に比較できる定量的なものと、数字などで客観的に比較できない定性的なものがあります。

隊員の数や騎馬の数は定量的な項目に該当します。一方、隊長の武力や戦略性というものは数字で表せないため定性的な項目となります。

②競合他社の選定では、基本的には直接的な競合をメインにしますが、間接的に競合する商品やサービスも含めて分析することもあります。

飛信隊の直接の競合は玉鳳隊や楽華隊になります。しかし、過去には胡傷が大将軍になった例もあるので、軍師も競合になる可能性があります。

③競合調査の実施では、実際に商品やサービスを使ってみたり、お店を訪問したりして調査を実施します。

以上を踏まえて、飛信隊の競合分析を行ったものが次の表です。

全ての項目を分析すると膨大になるため、今回は人事面に限って分析しました。一覧にすることで競合の状況を全体的に見ることができます。

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Company:自社

自社の内部的な要因について分析します。分析にあたっては、自社内で取得した売上などの定量的なデータや定性的な分析を組み合わせて行うことが一般的です。

その際に、先ほどの競合調査で調べてた一覧と自社の調査結果を比較してみると、競合と比較した際の自社の強みや弱みといった事項が分かりやすくなるのでオススメです。

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まず、隊長の信ですが、王賁や蒙恬と比べると戦略や戦術の立案という点で劣っています。一方、単純な武力は龐煖を倒すまでに成長しているので、他の二人より優れていると言えます。そのため、トータルで考えると隊長同士の実力は拮抗していると言えます。

次に、主な隊員として副長を比較していますが、ここは明確に強みがある点です。特に羌瘣は単独で5,000人を率いるレベルにあり、武力・戦術ともに高いレベルにあります。

隊員数では、玉鳳隊や楽華隊は10,000人規模ですが、飛信隊は羌瘣隊の5,000人を加えて15,000人規模になっており、玉鳳隊や楽華隊を上回っています。ここも羌瘣隊の影響が大きな強みとなっています。

『幽遊白書』の蔵馬の名言で「組織のカギは副将が握る」というものがあります。大将が実力を発揮するために、副将がいかに大将の負担を減らせるかが重要だからです。その意味でも、隊長の実力が拮抗していることから、副長の動きがカギを握る可能性があります。

3C分析のポイント

一番のポイントは順番です。

必ず①顧客→②競合→③自社の順番で分析します。

事業を行う上で最も大切なことは、顧客のニーズです。顧客のニーズが無い事業は成り立たないからです。なので、まずは顧客から分析をはじめます。

次に分析を行うのは競合です。競合をきちんと分析すると、その次の自社の分析の際にも、競合と比較した強みや弱みが際立ちます。

最後に分析を行うのが自社についてです。自社の分析は最も簡単なので、ここから始めてしまうことがあります。そうすると自社の都合の良い分析になりがちなのでNGです。

まとめ

ということで今回はミクロ環境分析のフレームワーク「3C分析」を紹介しました。3C分析はビジネスだけでなく、就活や恋愛でも役立つフレームワークです。

例えば、就活であれば、顧客=就職を希望する会社、競合=他の就活生、自社=自分自身、という感じで分析してみると便利です。

よろしければ、ぜひ使ってみて下さい!

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