マンションは買いたい時が買い時と言えるたった1つの理由

※本記事は個人の考えを著したものです※
※不動産の購入・売却はご自身の責任で行なってください※

こんにちは、宮野ダイです。

ずいぶん思い切ったタイトルですね。。
早速、結論から行きましょう。

マンションは買いたい時が買い時と言える理由、それは、、、

「各国政府・中央銀行が年率2%の緩やかなインフレをコンセンサス(合意)として金融政策を実行しているから。」

だと私は考えています。

ここから書いていく話は、ただのしがないSEである私が考える戯言なのでいろいろご意見もあると思います。

あくまで1つの意見として参考としていただければ幸いです。

全部で5,000字弱ありますので、お時間のある時にゆっくりお読みください。

1. 北極星に向かって歩くということ

北極星に向かって歩いていると、細かいルートの違いはあれ、北に進んでいますよね? 

車を運転するときも、進みたい方向を見てハンドルを切るとその方向に進んでいきますよね?

人は、ある目標を決めてその方向に進もうとすると、多少のズレやゆらぎはあれ、結果的にはその方向に進んでいるものです。

こと、金融の世界についても同じようなことが言えると考えています。

金融政策の目標を年率2%の緩やかなインフレと定めるのであれば、最終的には年率2%のインフレが続いたような結果に落ち着くのです。

日本経済は、バブル崩壊後に”失われた30年”とも呼ばれるデフレ・不況の時代が続きました。

しかし、アベノミクスや黒田バズーカによる大規模な金融緩和、コロナによる”バラマキ”やロシア・ウクライナ戦争による資源高などにより、最近ではそんな日本でもインフレが加速しています。

北極星に向かって歩いているからこそ、最終的には北に向かうのです。

つまり、短期的にはデフレになることはあっても、長期的に見ればインフレになっていることを前提とした行動を取ることが最適であると考えられます。

2. 長期的にインフレに向かう場合に取るべき行動

ここまでお話しした通り、短期ではなく長期で考えるならば、インフレになる前提で行動を起こすべきです。

インフレをあんぱんで例えるなら、

「ある年に100円で買えていたあんぱんが、10年後には122円になっている」

というようなことが年率2%のインフレということになります。(65円で買えていたハンバーガーが170円になっているのと同じですね。なぜあえてあんぱんを例に…(!?))

この場合、100円を大事にタンスに眠らせておいても、その100円では10年前に買えたはずのあんぱんは買えません。

このように、長期的にインフレになる状況下では現金の価値が目減りしていきます。そのため、

①今必要なもの・今買えるものは物価が上がる前になるべく今買うこと

が得策と言えます。

逆に、「100円であんぱんを買うために100円を借りて、その10年後に100円を返す」という場合に、10年後の100円の価値は目減りしているため、得をしたとも言えますね。

そして、借入金が多ければ多いほどさらにお得になると言えるわけです。つまり、以下の行動が得策と言えます。

②多くお金を借りて、なるべくインフレになってから返す

しかし、借入金には金利が伴うため、100円を借りたままの場合、毎年利息を返す必要があります。

借入金利が低いほうが利息が少なくて済みますので、なるべく低い金利で借りた方がお得です。そこで、②を言い換えると、以下のようになります。

②' なるべく低い金利で、多くお金を借りて、なるべくインフレになってから返す

しかし、借入金の性質上、ある年に借りて、10年後にその金額をそのまま返すということはほとんどなく、毎月一定金額を少しずつ返すということがほとんどです。

そして、その返済が滞ってしまうと、”一括の返済”を求められてしまいます。

インフレになるまで、なるべく返済を先に伸ばしたいのに、一括の返済を求められては困ります。よって、返済が滞るという事態は絶対に避けなければなりません。

そこで、②'の行動指針をさらに少しだけ変えて、

②" なるべく低い金利で、破産しない程度のバッファを見たうえで、なるべく多くお金を借りて、なるべくインフレになってから返す

とするほうが良いと考えます。

3. 10年後のあんぱん

さて、あんぱんの話に戻ります。(また? なぜ!?)

ある年にあんぱんを買った人が、そのあんぱんを食べずに押入に保管しておき、10年後、そのあんぱんを売ろうとしました。

もちろん、売れませんよね? 

10年も経過したあんぱんはさすがに腐っていて食べられません。だから、価値がない(売れない・値が付かない)のです。

あんぱんには、食べて腹を満たす・栄養を摂る・美味しくて幸せな気持ちになるからこそ、価値があるのであって、腐って見た目も悪く臭い10年後のあんぱんには価値がありません。

このあんぱんの例のように、物価が上がる前に現金を使って早く物を購入しても、その価値が長続きしないのであれば、早く買って長く所有する必然性はありません。

別の言い方をすれば、あんぱんには資産性がないと言えるでしょう。

そして、得策だと思っていた①の行動も、資産性のないあんぱんのようなものには適用できないことから、以下のように言い換えた方がよさそうです。

①' 資産性のある今必要なもの・今買えるものは物価が上がる前になるべく今買うこと

そして、資産性があるものというのは、買った物の価値が普遍的であり、購入後からの価値逓減率の大きさがインフレ率(長期的に見れば年率2%)よりも低いものと言えるのではないでしょうか。つまり、資産性のあるものは以下の状態を満たすものと考えられます。

③ 価値低減率の大きさ < インフレ率

4. 10年後のマンション

翻って、マンションを考えてみます。

マンション1棟の価値=土地の価値+建物の価値

と考えられます。そして、多くの場合、マンションは土地も建物も、自分を含む所有者全員で区分所有する格好になります。つまり、

自分が区分所有しているマンションの価値 ∝(比例) マンション1棟の価値=土地の価値+建物の価値
と言えます。

土地の価値は普遍的です。土地はいつの時代も土地です。土地の上に建物を建てて他人に貸したり、土地を駐車場として活用することで収益を生むこともできます。メンテナンスのコストもほぼかかりません。

よって、固定資産税などの税金を除き、土地の本質的な価値逓減率は0に近いと考えられます。

建物についても同様に考えてみます。

多くのマンションの躯体構造はRC造(鉄筋コンクリート造)であり、コンクリートの寿命は100年とも言われます。

もちろん、内外装や設備の寿命は躯体よりももっと短いですから、定期的なメンテナンスは必須であるものの、きちんとした修繕を積み重ねながら住んでいけば、建物に住んで暮らすという本質的な価値の価値逓減率を年率1%~2%程度には抑えられるものと考えています。

※マンションの建物部分は、共用部と専有部に分けられます。専有部は自身でリフォームすることができますが、共用部はマンション全体で維持・管理する必要があります。だからこそ、マンションを買うというのは、管理を買うのだというのもよく耳にする言葉です。なるべく、建物の価値を維持できる(本質的な価値逓減率を抑える)ような管理が重要だと言えます。※

閑話休題

ここまでの話から、私は、マンションの本質的な価値の逓減率は土地と建物の合算で、年率1%にも満たないのではないかと考えています。

前述した③式に当てはめると、

マンションの価値低減率の大きさ(1%) < インフレ率(2%)

というようになり、

マンションというものは資産性がある

と私は考えています。

※この4章ではマンションというものを一般化し、考え方をあえてシンプルにしています。細かいことは考えていません※

5. お金を借りてマンションを買う場合の資産性

マンションを買う全員が現金一括で買うわけではなく、多くの人が、住宅ローンを借入して購入します。マンションを買うことによって、実は②''の行動指針に沿った行動が可能になります。

②" なるべく低い金利で、破産しない程度のバッファを見たうえで、なるべく多くお金を借りて、なるべくインフレになってから返す

そして、借入を考慮した場合に、

③' マンションの価値逓減率の大きさ <インフレ率 - 金利(返済利率)

である必要がありますよね。

現在の金利は、変動金利型の住宅ローンで0.3%弱と非常に低金利であり、長期的なインフレ&今の低金利の状態が続くことを前提とすれば、お金を借り入れる場合であっても、マンションはいつでも買い時であると言えます。

しかも、住宅購入時の借入金元金に対する利息は、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)という不動産購入の優遇施策によりその多くが還付されます。というよりも、低金利状態の今では逆ザヤ(借りた方がお得)なケースもあるくらいです。

つまり、③'式において、金利の影響は無視できるほど低いというのが現状ということです。

しかし、金利が上がってしまったら、買い時でなくなるのでは?とも思えます。

ただ、 金利が高くなるタイミングというのはインフレ率が目標の2%を超えてしまったときなのです。(金利を高めることで景気を冷やし、インフレ率を目標の2%に抑え込もうとするわけです)

アメリカのCPI(消費者物価指数)はここ数年、前年比5%~8%のインフレを記録していました。

だからこそ、アメリカの中央銀行であるFRBは政策金利を段階的に高めていき、今現在は5.25%にまで高めて、インフレ率をなんとか2%程度まで抑え込もうとしているのです。

言い換えると、金利が高くなる時には、相応にインフレも進んでいて物価が高くなっているはずであり、マンション価格も例外ではないということです。

6. マンションは買いたい時が買い時

最後にまとめに入ります。

ここまでの要点を整理すると以下の通りです。

  • 各国政府・中央銀行は年率2%のインフレをコンセンサスとして、金融政策を決定している

  • インフレという北極星に向かっている以上、長期的に見ればインフレに向かうことになる

  • インフレに向かうと現金価値が目減りし、物価があがるため、以下の行動が得策となる
    ①' 資産性のある今必要なもの・今買えるものは物価が上がる前になるべく今買うこと
    ②" なるべく低い金利で、破産しない程度のバッファを見たうえで、なるべく多くお金を借りて、なるべくインフレになってから返す

  • マンションというものには資産性がある

  • 住宅ローン控除などの不動産購入優遇施策もあることから、マンションの価値低減率がインフレ率-金利(返済利率)を上回ることはなかなかないと考える

そのため、以下のような結論が浮かび上がります。

マンションが必要で今買えるなら、なるべく低い金利で、破産しない程度のバッファを見た金額を借入し、マンションを買う。

買った後は、繰り上げ返済をせず、なるべく長期的な目線で、買った物件に長く住みながら、ゆっくりお金を返す。

というものです。

つまり、

マンションは買いたい時が買い時

と言えると私は考えます。

※不動産の購入・売却はご自身の責任で行なってください※



※最後に...
私は今年、マンションを売却しています。

しかし、今まで述べた通り、長期的に見ればマンションを買うというのは良い選択であると私は考えています。

私の場合は、家族構成の変化や転職による環境変化、市況予想などに合わせた、短期的な目線での売却(アセットアロケーション)であり、長期的な目線では購入した方が良いというのが私の立場となります。

よって、売却前も売却後(賃貸住み替え後)も、常に新築・中古マンションのウォッチを続けています。

以上です。

※不動産の購入・売却はご自身の責任で行なってください※

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