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ささやかな贅沢

一昨日の日曜日は見事な秋晴れでしたね(写真は一昨日ものではありませんが…)。Instagramで月に一回、アクリル画をお描きになるao to iu_さんとリモートでライブペインティング企画を行っています。わたしはインスタライブを経由してほろ酔いで思いつくままにぽつぽつしゃべっては演奏し、それを聴きながらあおさんが絵を描きつつコメントをくれたり絵の進捗をストーリーに上げてたり(←忙しい)そして絵が完成したらインスタライブに参加してもらって完成作品を鑑賞しながらあれやこれやおしゃべりするという流れで、お互い自宅でひっそりとり行うのですが、早いもので一昨日は十回目、日曜日15時から始めて17時過ぎまで、空模様が淡々と移り変わって暮れなずむ様子を部屋の窓から目にするだけでも胸のすくような思いでしたし、出かけた方には最高の行楽日和だったことでしょう。インスタライブのアーカイブは次回まで残しておく予定ですので、もしよかったら、お気軽に覗いてみてもらえると嬉しいです。

2015年の秋に父が脳出血で倒れて半身不随になって以来、いつからか、父の昔の同僚で秋田にお住まいの方が新米や季節の果物や地元の名産品などを定期的に送って下さるようになり、友達の少ない父にそんな友人がいたことを母もよくは知らなかったようで、わたしはご厚意をただ漠然とありがたく受け取る一方でしたが、去年の11月に初めて秋田を訪れてかつての音楽仲間の営む珈琲屋で演奏させてもらったとき、お店のお客さんで来ていて知り合った地元の美大生にお薦めのお土産の一つとして教えてもらった素朴なパンプキンパイが、以前その方が何度か送って下さったのと同じもので驚きました。また、東北の人にとって新米は本当に特別なんだなと旅行中に何度も実感したので、これまでいろいろ送って下さった感謝の意をお伝えしたく初めて自分でお便りしたら、年末、心のこもった丁寧なお返事を頂きました。父と一緒に山登りに行く仲だったこと、わたしが二歳前後のときに家に遊びに来たこともあり、かつての父とのエピソード、いつか一緒に東北の山に登れればと話をしたけれど「今となってはそれも叶わないことになっていまい残念です。私のように果たせない約束で後悔せぬように。」と。読み返すたびに涙が出てしまいます。母曰く、お一人で暮らしていらっしゃるそうなので、今回のコロナ禍でどうしておられるかと時おり思い出しては気がかりでしたが、先月、秋田から立派な梨が届いたので、ひとまずお元気とわかって安心しました。母がお礼に菓子を送ったとのことで、少し遅れてわたしからもお便りしたのですが、昨夜遅くに帰宅したら冷蔵庫に見慣れないタッパーがあり、添えられていたメモには、イチジクを白ワインで煮てみました、よかったら食べてみて下さい、と、一目でそれとわかる、お人柄の偲ばれる几帳面で特徴的な文字で記されていて、小ぶりなイチジクをさっそく一口つまんだら、よく冷えて甘すぎず野趣溢れるなんとも上品な味、手作りの旬の味をはるばる秋田から(クール宅急便で!)お裾分けして下さった粋なお心遣いがしみじみ嬉しかったです。今朝は、近所の個人宅で週二回だけ開店するパン屋さんでたまに買う、主食というよりささやかな嗜好品に近い、風味豊かな天然酵母食パンにジャム代わりにいそいそと塗って食べました。美味しくないはずがなく。

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