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【勝手にイベメモvol.2】『最強塩なし料理理論』出版記念 「食と家族」


*このシリーズの投稿は、「インプット⇆アウトプット」の考えから、また、シンプルに記録の目的から、私が参加して拝聴した無料のトークイベントの収穫メモを記録するものです(有料イベントはチケット代を支払う参加者に向けての恵みであるという認識から、メモ公開の対象にしていません)。
*あくまで私個人が「面白い!!」と感じたことを聴きながら書き留めたメモですので、登壇者の方々のチェックを経たパブリックなコメントではないということを予めご了承ください。こちらのメモを通じて、登壇の方々にご興味を持った方はぜひご本人やイベント主催者のご発信をフォローするなどしてみてくださいね。
*「レポート」と呼ぶには忍びない、私がリアルタイムに書き取ったメモがベースですので「イベレポ」ではなく「イベメモ」とします^^ 読みづらい箇所多々ありかと思いますが、ご容赦ください。
 (もしもこの投稿の公開に問題があるようでしたら、コメント欄などからご連絡ください。さっさと削除いたします!)


◆このイベント・セミナーを拝聴しました◆
最強塩なし料理理論 出版記念 「食と家族」
(2020年5月20日水曜20〜21時


プロノバ代表取締役・岡島悦子さん
シェフ・松嶋啓介さん



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<前提として>
・もともとお二人は家族ぐるみの濃いお付き合い。ご飯を一緒によく食べる仲。「えっちゃん」「けいちゃん」と呼び合う。
・誰と、どう、食事をしていくか=人間関係の構築に深く関わる、という価値観を共有。
・当イベントは、松嶋さんの最新刊『最強塩なし料理理論』(主婦の友社)の出版記念として開催。


<ここからお話>

松嶋さん:えっちゃんはもともと多くの経営者から慕われ、会食が多い人という印象。母親となって家族との時間も増えている今、食の意味も変わったのでは?
岡島さん:相当変わった。もともと私は365日、ワークライフミックスだった。母になったのは2年前。相変わらず8社の社外取締役もやっていて忙しいが、娘の食事は基本は手作り。夫と半々担当制にし、担当曜日の朝と夜のご飯は作っている。
子どもを見ていると、「人は食べているものでできている」とつくづく実感。もともと料理は好きだったけれど。
松嶋さん:そうそう、えっちゃんは料理が好き。子どもの頃から家庭料理を教わってきた話をずっと聞いてきた。
岡島さん:母から料理教わってきたし、祖母が母を教える姿も見てきた。だからなのか、レシピを見て料理したこと、あまりない。素材からイメージして構築していく。「適材を活かす」=経営に伴走する仕事にも活きる。料理はマルチタスク能力も問われる。
松嶋さん:冷蔵庫を覗くのと、会社を訪問する感覚、一緒では。
岡島さん:同じ! そして、食は人の本質を知る上で有用。経営者の次候補決めるときには、必ず一緒にレストランに行く。できればご家族と。お店の人への態度なども見ている。食事中は血が胃にいくから、より本質が出やすい。
松嶋さん:人を育てる過程は、どんな食体験を与えるかに似ている。ぶっちゃけ、えっちゃんは母になってから、優しく穏やかになった。
岡島さん:よく言われる。会食が多い時は、アッパー系の食べ物をとる機会多かった。娘のために作る食事は、じっくりダウナー系になる。「穏やかな食事」を作るようになった。
松嶋さん:砂糖はボーナス、塩は給料。ところで、いつもすごいと思うのは、えっちゃんの切り替え。仕事になると、ものすごく寄り添い系になる。
岡島さん:人材を育成することは、正直、難しい。ただ、目利きとして見抜くことはできる。現状であまり活躍できていなくても異能な人には「自信を持ってね」と背中を押す。マイノリティの人たちは、マウンティング負けしてしまう。力はあるのに場がないもったいなさ。女性や若い人たち、外国人などパワーを持ちづらい人たちには、すごく優しくしたいと思っている。
松嶋さん:調理と同じ。個性のある食材には、ほったらかしでボイルするだけでいい。調理と料理は違う。調理は、素材の味を引き出して、味付けいらない。
岡島さん:アスパラもゆっくり茹でる。ゆっくり茹でると、本当にいい味が出る。けいちゃんこら教わったこと。
松嶋さん:素材の質の見極めは大事。茹でるだけで美味しくなるのは新鮮だから。でも少ししなびてきたら、炒めればいい。高級レストランは、いいとこどりになりがち。
岡島さん:私は、非連続の新規事業で呼ばれることが多い。その場合は、すでに活躍しているメインストリームの人材ではなく、傍流に逸材いるのでは?と探す。一流の高級店では捨てられてしまうかもしれない素材を見出すのと同じかもしれない。丸井グループでもずっとそれをやってきた。
松嶋さん:今の話、フードロスの話を聞いているかと思った。
岡島さん:そこからイノベーションも生まれる。コロナ時代にも、企業も新しいチャレンジしないといけない。
松嶋さん:「塩で美味しくなる」から「塩なしでも美味しい」に転換する。考えないと、簡単に塩をしてしまう。頭で疑うと、残念賞。何事も、騙されたと思ってやってみることが大事。やってみると、「あれ、塩なくても美味しいんだな」と気づくはず。
岡島さん:つい、「塩をした方が味がする、保存にきく」とかメリットを並べがち。
松嶋さん:そもそも、できたてを食べるなら保存は必要ない。塩をせず美味しくいただくためには、調理に時間をかけること。組織においても、成果が出にくい時代に、時間をかけてもいいからいろいろなことに寄り添える方がいい。つまり、素材の味に気付けるプロセスが大切。塩は脳を喜ばせるから短期的には心地いいが、塩なしにすると疲れが残らない、ホワーンとした心地よさを得られる。それは、「ビジネスパーソン岡島悦子」が「えっちゃん」へ変わる違いに似ているのでは。
岡島さん:企業においては、社長をつくるのに15年かかる。サイクルとしては、修羅場体験で失敗を肥しにする。長い目で人を見る。とある数兆円企業で社長候補としてサポートしているのは25歳。企業もこれから長期視点がより求められる。コロナによって、将来が前倒しになったと感じる。
松嶋さん:ここで改めて、えっちゃんの今の日常の食事のスタイルは?
岡島さん:私の家族は、拡張家族。私と夫は子育てを完全に担当(月火木度)。朝は、パンとフルーツと牛乳のような簡単なもの。18時にお迎えに行き、オンライン会議に参加しながら画面OFFにして、そぼろ炒めていることもよくある(笑)。オイシックスのハンバーグミックスとか愛用したり、適度に力抜いている。子どもの食事にかける時間は毎日30分くらい。今は2歳だから、作ることへの負担は軽いほう。
松嶋さん:子ども向けの食材も一緒に食べている?
岡島さん:食べている。
松嶋さん:それは大事。「同じものを食べている」という関係。
岡島さん:しかし、この生活はコロナだからできている? 正直、30分でも面倒だなと思うことはある。
松嶋さん:料理に関する「贖罪(ショクザイ)」はどんな時に感じる?
岡島さん:一緒に食べていないことに対する贖罪は感じていた。「ママと食べたかった」とぽろっと言われると辛い。私自身は母になっても仕事はかなりしてきたほうだが、「娘を置いてまでも受けるべきものか」という判断軸で仕事を選ぶようになった。一方で、こういう罪悪感を抱く必要もないのかもしれないとも思う。彼女の未来をつくるための仕事をしているという誇りがあるはずなのにと、思ったりする。
松嶋さん:そうだよね〜。
岡島さん:「食卓を一緒に囲むことが大事」なのはわかる。でも、それは毎日でなくてもいいのかも。
松嶋さん:毎日じゃなくても、食事をしながら、「これ、美味しいよね」「これ、どうやって作っているんだろうね」と会話する。
岡島さん:食事は文化を知ること。けいちゃんと食事している時も、仕事の話はほとんどしない。「共通の食体験」は深い共通体験になる。
松嶋さん:とはいえ、社員食堂で関係性は築けるか?
岡島さん:スマートニュースやクックパッドのような家族的食堂だったら、釜の飯食っている感覚になるが。
松嶋さん:何が違うのか?
岡島さん:作る側との一体感かな。
松嶋さん:何を食べているのかというインフォメーションの裏側まで見えるか。
岡島さん:子どもはビックリするくらい、「買ってきたもの」を食べない。すごい嗅覚だなと感心する。
松嶋さん:無垢ですね。
岡島さん:でも、フライドポテトだけは買ってきたものも食べる。一方で、保育園での食事は完食している。おそらく、子どもたち同士のピアプレッシャー。「保育園では食べるのに、うちでは食べない」と自分を追い詰めちゃうママは結構いるはず。私が育児で身につけさせたいのは、サバイバルの能力。料理は必ず教えたい。
松嶋さん:一番手取り早い食育は、一緒にキッチンに立つこと。最後に「食と家族」について。
岡島さん:いろんなリーダーを見ていて、本当にシビアな状況で踏ん張れるかどうかは、やはり幼少期の愛着経験。必ずしも親でなくても、血縁がなくてもいいから、心のベースキャンプになる関係性をつくることがとても大切。そのベースキャンプの共通言語になるのは食だと思う。
松嶋さん:ということは、「あれをまた食べたいね」と話せる相手は家族と言える。視聴者からの質問で「お子さんに食べさせたい料理は?」。
岡島さん:継ぎたい味は、お雑煮。前田家由来の「株(蕪)を上げて、名(菜)を残す」。
松嶋さん:僕も郷土料理(福岡)の筑前煮。
岡島さん:お雑煮も、複数の家族が混じり合って生まれるよね。料理は家族を混ぜるきっかけにもなると思う。

以上。


親しいお二人だから紡げる豊かなお話でした。そして、岡島さんの艶肌の秘密に食の力あり、と納得した次第です。ありがとうございました!

リーダー育成のプロ、岡島さんのnoteもぜひ^^↓




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