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抗がん剤を点滴するための器具を体内に設置される

2023年2月14日。

その日はバレンタインデーだというのに、私はといえば朝から病院へ行って、抗がん剤を点滴するための器具を設置された。設置って、私の身体、鎖骨の下あたりに、その器具を簡単な手術で埋め込むのだ。部分麻酔をするから一人できてはダメ、と言われ、娘に一緒に来てもらった。

CVポートとは?


その器具というのは正式な名前をCVポートと言って、抗がん剤のチューブをそのポートに繋ぐだけで点滴ができるという便利もの。毎回抗がん剤を点滴するために腕に針を刺すのは、血管が細い人や血管が脆い人、看護師さんが乱暴だったり下手くそだったり(?)すると、何度も刺し直したりして痛い思いをする。それをしなくて済むから、便利、楽ちん、というわけだ。

でもそのCVポートとは、こんな形。

ホントに患者のためかな?

こんなモノを、異物を、身体の中に入れて、何ヶ月も、人によっては何年も置いておくんだって。 私は手術台に寝かされて、チャチャっとやってはい、終わり、だったから、ポートというモノの、身体の中に入った部分の形は見ていないけど、鎖骨の下あたりに異物感がある。で、その上にでっかい絆創膏が貼られて、そこからチューブがちょろり、と出ている。チューブの先っちょにはキャップがついていて、それを外して点滴とつなぐんだろうね。確かに毎回針を刺されるのは痛いし、血管を探してあちこちぶすぶす刺されたら辛いけど、この異物がずっと身体にくっつけられているのと、どっちがいいの?という感じでもある。私は血管が太くて、血液検査で失敗されたこともないのに。もしかしたら、患者のため、というよりも、作業効率化のためかもしれないね? なんて思いもチラリ。設置された部分は私の場合は鎖骨下だけど、後日、待合室で眺めた感じでは、ほとんどの人は腕、血圧計のベルトを巻く、あのあたりにつけられている。

ギャグ好きの私の担当医は、「鎖骨下の方がbrucciaしないから」と言っていた。bruccia(ブルッチャ)というのはイタリア語で燃える、という意味の単語だけど、怪我をした時なんかに「しみる」とか「ヒリヒリする」みたいな感じでも使われる。ワクチンなんかの注射をされるときにも「ちょっとブルッチャですよ〜」と看護師さんがいうことがある。日本なら「チクンとしますよ〜」かな? 点滴の液体が入っていくときにちょっと痛い、そういうことかな。

病人一丁あがり!

ポートを入れるために、前日には朝の8時に病院へ呼びつけられて、血液検査と麻酔医師による診察があった。アレルギーはありますか?とか、身体に浮腫はないですか?とか、そんな問診をいくつかだけ。そしてポートを設置され、いよいよ病人らしくなってきた。

抗がん剤治療の準備は万端。なのにPETの予約がまだ入らない。担当のドクターは既に済ませた血液検査やMRIの結果から、おそらく転移はないと判断して抗がん剤の準備を始めてはいるけど、PETで確定診断をしない限り始めることはできない。転移があれば、治療方針はガラリと変わるからだ、という話は「乳がんは一種類じゃない〜」の回で書いた通り。

早く、早く。顔つきが悪くて、増殖スピードが早いがんだっていうなら、早くPETやってよ!と焦る。

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