映画『Z Inc. ゼット・インク』(2017)視聴メモ
映画『Z Inc. ゼット・インク』(2017)を見た。
会社のライバルに失敗をなすりつけられクビになった男が、異常行動を催すウィルスの蔓延したオフィスビルが隔離される8時間、何をしてもウィルスのせいにできる状況に乗じて自分をクビにした社長をぶちのめすべく建物を登っていく。高層建築物の上層下層に身分制をからめた社会縮図という意味では例えば『ハイ-ライズ』と公約数もあるんだけど、各階で刺客と戦うステージ構成のために『死亡遊戯』的な趣を先に感じるね(笑)
とにかくカットの運びが軽快だったな~。
テンポがいいって意味だと、この手のシチュエーションで主人公が早々に感染者になるのも面白かった。
劇中のウィルスは、凶暴化ではなく理性のブレーキが弱まるだけなので落ち着いてれば会話も打算的行動もするし、泣きたければ素直に泣く。そして人を助けたい、良い事したいならそうするのね。
「会社のため」「上司の命令だから」で頭も心も麻痺した冷酷なふるまいをする人々のありようを前置きしてるので、情緒深くなるウィルス感染を必ずしも悲劇一辺倒としては描いてないのがミソ。
これ、邦画でいえばアレやね、『バカヤロー!』シリーズの趣が近いかも。ただしキレて尊厳を取り戻すプロセスにウィルスという具体的な形あるギミックを使ってるのが違いだけど。
主人公とヒロインが唐突に気分たかぶりエッチして「ウィルスのせいだよね」「仕方ないよね」で片づけるのはハリウッド映画の濡れ場あるあるに対するメタっぽくてちょっと笑ってしまった。便利だなウィルス!
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